日本人と仮想通貨の「相性」はどれほどなのか 信用の国における普及の未来を展望

東洋経済オンライン / 2019年6月26日 8時40分

拙著『仮想通貨3.0』でも詳しく解説している仮想通貨の普及はどうでしょうか。ビットコインは、インターネットを介して見ず知らずのユーザー同士が通貨の送金をする前提で作られた通貨です。つまり、お互いに信用がなくても、テクノロジーとシステムによって通貨のやりとりが成立するように設計されています。

本来ならば低いリスクを実現するためには、どこかで利便性を犠牲にしなければいけません。ビットコインにおいては、マイニングという仕組みがそれに当たります。セキュリティ性を担保するには、どうしても膨大な計算に成功したマイナーが、ブロックの責任者になるという仕組みが必要なのです。そのために発生するおよそ10分という時間は、安心料のようなものでしょう。

その点、日本はそのセキュリティ性を、信用という国民性で補ってしまっています。だからこそ、次々と便利なサービスを実現することができているとも言えます。もはや日本の便利さに慣れてしまった私は、たまにスイカの決済で5秒かかっただけでも遅いと感じてしまうほどです。

もし仮想通貨の決済を使うとして、コンビニのレジで10分も待たされたらいったいどうなるのでしょうか。決済で仮想通貨を使用する選択肢は限りなくゼロになるでしょう。

■仮想通貨はじわじわと日本に浸透してきた

日本における仮想通貨は当初、「どうせ怪しげな投機商品だろう」と相手にしなかった人々もいる一方で、ビットコインの大きな価格変動性に惹かれて、新たに取引を開始した人も多かったのではないかと想像しています。

2014年には日本でも仮想通貨取引所が徐々に増え始めていきます。同年4月にZaifの前身であるetwingsという企業が取引所をスタートさせました。その後テックビューロに買収されて、Zaifと名前を変更することになります。また、5月にはbitFlyerがビットコイン販売所としてサービスを開始し、11月にはコインチェックも取引所サービスに乗り出しました。

その後もさまざまな企業が仮想通貨ビジネスに乗り出しましたが、振り返ってみると大手と呼ばれる取引所まで成長しているのは、最初に仮想通貨ビジネスを始めた企業ばかりです。

仮想通貨取引所が増えていくことで、ビットコインをはじめとする仮想通貨の認知度は徐々に高まっていき、手にする人たちが増加していきました。

そして決定的だったのは2017年4月に施行された改正資金決済法です。

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