元エンタメ業界人が耳鼻咽喉科を経営するワケ 異業界出身者ならではのアイデアとは

東洋経済オンライン / 2019年6月26日 7時50分

田園調布耳鼻咽喉科医院の水上CEOは、意外なキャリアの持ち主だ(撮影:尾形 文繁)

普段、何気なく受診している耳鼻咽喉科だが、その現状を正確に理解している人はそんなに多くないかもしれない。ほとんどの人にとっては、たとえば中耳炎や花粉症、咽頭痛などのときにたまに訪れるというイメージではないだろうか。

厚生労働省の調査(2017年度)によると、全国にある耳鼻咽喉科の一般診療所の数は5828軒(重複計上)と、この10年ほぼ横ばい状態だ。一方、社会保険診療報酬支払基金の統計月報によると、耳鼻咽喉科の外来患者1日当たりの診療単価は4420円と、内科や外科、眼科などに比べると低い。つまり単純に考えれば、売り上げを維持するには一定数の患者を確保する必要があるが、日本は目下、人口減少のさなかにある。

■日曜日には午前だけで「3ケタ」の予約

こうした中、意欲的な取り組みをしている耳鼻咽喉科がある。東京・大田区の田園調布耳鼻咽喉科医院だ。東急東横線・田園調布駅から徒歩5分ほどに、商店街に位置している同耳鼻咽喉科は、外観こそ華やかな感があるが、待合室はだいたい30人入ればいっぱいになるほどで規模から言うと、普通の“町医者”というたたずまいだ。

が、2017年12月に開院してから約1年半で、「日曜日には午前中だけで3ケタの予約が入る」(田園調布耳鼻咽喉科医院の水上真CEO)ほか、患者も近隣だけでなく、都心や神奈川県からも訪れるほどになった。よほど特殊な治療を行っていない限り、通常は自宅や職場の病院を選ぶはずだが、同院にここまで人が訪れるのにはいくつか理由がある。

1つは変則的な診療時間だ。月・水・金は午前7時からの早朝診療と、夜7時からの夜間診療に対応。水・木・日は終日診療を行っている。早朝、夜間、休日診療は普段仕事をしている人が多く、例えば夜間診療時は都心で仕事を終えてから、自宅とは違う方向にもかかわらず診療に訪れる人が少なくない。また、日曜日は「耳鼻咽喉科 日曜日 東京」など検索で調べた人が、「関東全域から訪れる」(水上CEO)という。

2つ目は、最近では病院でも増えつつあるネット予約を行っている点。同院では、早朝、夜間に関しては2週間先までとれるオンライン予約システムを導入し、患者の待ち時間削減に取り組んでいる。そして3つ目は、小児耳鼻咽喉科を併設していることで、「患者の年齢層は0歳から90歳まで幅広い。家族ぐるみで来院する人も多くいる」(水上CEO)という。

さらに、血液検査やプラセンタ注射など自由診療にも積極的。耳鼻咽喉科は花粉症やインフルエンザなど、季節的な要因で業績が左右されやすいとの指摘もあるが、自由診療を強化することによって年間の患者数の平準化を図っている。

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