TATERUの業務停止処分は「厳しすぎ」なのか 「資料改ざん」発覚で事業の継続性も不透明に

東洋経済オンライン / 2019年6月27日 8時0分

業務停止処分がなくても、すでに業績は大幅な赤字となっている(記者撮影)

「事実に相違ありません。本当に申し訳ありませんでした」

国土交通省関東地方整備局が6月21日、業務停止処分を下す前に対象者の弁明を聴く聴聞会を開いた。頭を下げたのは、賃貸アパート経営サイトを運営する東証1部上場「TATERU」の古木大咲CEO。

同社は2018年8月に営業担当者が顧客の融資資料を改ざんし、金融機関に提出していたことが発覚。主力事業であるアパート関連の仲介やあっせんを一時的に停止、経営危機に陥っているのだ。発覚前に2000円を超えていた株価は10分の1の200円割れを続けている。

■継続企業の前提に初めて「重要事象」

2018年12月期こそ売上高791億円(前期比18%増)とプラスを維持したが、営業利益は7.2億円(前期比87%減)と大幅な減益に転落した。今2019年12月期は業績が見通せないため、業績予想を開示していない。

だが、5月に発表した1~3月期(第1四半期)決算は売上高46億円(前年同期比68%減)、営業赤字は47億円(前年同期は6.7億円の黒字)となった。不動産売却損をそのまま原価に計上し、赤字は売上高を上回る水準に膨らんだ。監査を担当したあずさ監査法人は、同社の企業としての継続性に問題があるとして「継続企業の前提に重要事象」と初めて注記した。

同社は2006年に創業し、2015年12月に東証マザーズに上場した。そのビジネスモデルは独特だ。自社のアパート経営サイト「TATERU Apartment」(タテルアパートメント)を通じて、賃貸経営を希望する人に土地やアパートの建築、賃貸管理まで一貫してあっせんするというもの。

自社で不動産や大がかりな営業部隊を抱える必要がないため、効率的に経営をすることができる。上場以来、売上高を毎年50%以上ずつ増やし続け、ピークだった2017年12月期のROEは51.3%と上場企業としてトップ水準にあった。

■業績の成長はうそにまみれていた

だがその内実は、すべてと言わないまでも、一部はうそにまみれたものだった。2018年8月、資産を多く持たない個人顧客に賃貸アパートを建てさせるため、顧客の預金残高を改ざんしていたことが発覚した。

昨年12月27日に開示した特別調査委員会の調査報告書によれば、その数は上場以来、2269件中350件に及んだ。調査報告書は「販売目標達成必須・率直に物を言えない企業風土が不正行為の土壌になった」と指弾している。

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