解散に怯える野党、「から騒ぎ」の会期末政局 メディアの注目は戦争発言の丸山穂高議員に

東洋経済オンライン / 2019年6月27日 7時20分

衆院本会議で内閣不信任決議案が反対多数で否決され、一礼する安倍晋三首相(前列右)ら(写真:時事通信)

平成と令和にまたがる通常国会が26日、当初の会期通りに閉幕した。安倍晋三首相が衆院解散・衆参同日選挙を見送ったことで、7月4日公示、同21日投開票の参院選日程が決まった。

すでに準備を整えている各政党と政治団体は、国会閉幕と同時に選挙活動を本格化させる。

■解散をめぐって広がる疑心暗鬼

「衆院解散があるのか、ないのか」。通常国会終盤の与野党の攻防は解散風に揺れ続けた。解散をめぐる政権幹部の発言が衆院全体に疑心暗鬼を広げ、各議員は10連休やその後の週末を「田の草取り(選挙運動)」に駆り立てられた。

中でも、野党第1党の立憲民主党の解散への怯えが際立ち、「会期末の恒例行事」とされる内閣不信任決議案提出にも最後まで躊躇したことが、「多弱野党の意気地のなさ」(首相経験者)を浮き彫りにした。

解散権を持つ首相にとって「野党陣営のかく乱」(側近)という狙いが当たった格好だ。会期末前日の25日に野党5会派が恐る恐る共同提出した不信任決議案を、与党は「まったく理由がない」として圧倒的多数で否決した。

ただ、会期末政局の圧勝で自民党の参院選勝利が決まったわけではない。ここにきて「老後資金2000万円不足」問題を筆頭に政権の失点が相次いでおり、最新の世論調査でも内閣支持率は下落している。12年前の「参院選惨敗―首相退陣」の悪夢が最大のトラウマとされる首相は、参院選投開票日までの3週間余を「内心は戦々恐々で過ごす」(自民長老)ことになりそうだ。

国会最終盤の与野党の動きを、多くのメディアは「緊迫の攻防」などと大仰に伝えたが、実態は「余裕の自民と、弱気の野党による田舎芝居」(閣僚経験者)だった。本来なら政権の失政を批判して「国民に信を問え」と迫るのが野党の常道だが、今回は攻防の構図が逆転していた。

夏の参院選をにらんで処理すべき案件を絞り込んだ政府・与党は、会期末を待たずに重要法案処理を済ませる一方で、首相や政権幹部が「阿吽(あうん)の呼吸」(自民幹部)で解散風を吹かせて会期末政局の主導権を握り続けたからだ。

■解散への不安を隠さなかった立憲民主党

これに対し、野党陣営は衆参同日選への怯えばかりが目立った。立憲民主党の枝野幸男代表は、勝負のポイントとなる党首討論や内閣不信任決議案提出について「解散を誘発しかねない」との不安を隠さず、及び腰の対応に終始した。

最大の勝負手となる不信任決議案について「最後まで首相の出方を見極める必要がある」と繰り返し、6月9日前後にメディアが一斉に「首相が解散見送り」と報じると、「解散がなくなったから不信任案を出したと思われたらしゃくだから、参院で首相問責決議案を出す」などと対応が迷走した。

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