くら寿司が「年収1000万円」で新卒募集するワケ 田中社長が明かす「すしエリート」採用の狙い

東洋経済オンライン / 2019年7月7日 7時30分

――実際、エグゼクティブ採用の募集を始めてからは、どれぐらいの応募が来ているのでしょうか。

募集を始めて2週間で、170人ほどのエントリーがあった。そのほとんどが早慶や東大の学生だった。多くの優秀な人から応募があったと聞いている。

――近年は若いうちに転職するのも決して珍しくなく、くら寿司に入社しても、日が浅い段階で辞めていくリスクはないですか。

もちろん、そういうリスクはある。ただ、定着するかどうかは、入ってみないとわからない。一定数は定着してくれるのではないかという淡い期待は持っている。

■業績がよければ給料が上がるのは普通

――募集条件の中に26歳以下という記述がありました。あえて26歳で線引きしたのには意味があるのでしょうか。

新卒の多くは21~22歳だが、そこで区切る必要はないと思った。ただ、私の経験則に照らしてみると、ある程度他社で経験を積んだ人は、われわれの会社の文化になじまない可能性が高い。30歳ぐらいになると、どうかなと思い、間を取って26歳ということになった。

――エグゼクティブ採用で社員になった人の給与は、1年ごとに見直す年俸制です。成果主義的な報酬体系を意識したということでしょうか。

すでに一部の社員ではそのような給与体系を導入している。社員のクラスによって違うが、エリアマネージャーや店長は、成果が給与に反映される。業績がよければ給料は上がるし、悪いときは仕方がない。それが普通だと思う。

年功序列で給与がどんどん上がって、50歳になると新入社員の3~4倍とる会社もある。そんな会社に、わが子を行かせたいと思わない。

――ただ、一般の採用で入社する新卒社員からすると、同じ研修を受けているのに年収に差があることで、モチベーションが下がる懸念はありませんか。

当社の文化として「人と比べるな」というのを常に言っている。中途で入った人が上司になったからと言って、文句を言うなと。年功序列ではないということはそういうことだ。このようなことは入社する社員にしっかり伝えている。

■回転ずしというフレームワークで戦う

――近年、競合のスシローは回転ずしにとどまらず、業態の多様化を狙って居酒屋などの新業態を展開しています。くら寿司も新業態を展開する考えはありませんか。

ファミリーレストランやファストフードの分野で、世界中で上位を占めるチェーンは複数業態を展開しているところは多くない。マクドナルドやスターバックスがいい例だ。われわれが現在、くら寿司以外で展開しているのは「無添蔵」という、やや高級な回転ずしの店舗を4店だけ。基本的には回転ずしのみでやっている。

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