大英博物館で異例ずくめのマンガ展開催の意味 国外開催のマンガの展覧会として最大規模

東洋経済オンライン / 2019年7月10日 7時20分

大英博物館正面に設置されたマンガ展の看板(筆者撮影)

イギリス・ロンドンの大英博物館で、日本のマンガ文化に注目した「The Citi exhibition Manga マンガ」が8月26日まで開催されており、国外で開催されるマンガの展覧会として最大規模だ。その内容についてはすでに多くの記事で触れられているため、本稿では主にその社会的側面に焦点を当てた。

同展は大英博物館が主催。日本から国立新美術館と一般社団法人マンガ・アニメ展示促進機構が共催している。大英博物館の主要な展示に対してシティグループが支援するシティエキシビションシリーズの1つとして開催されている。2017年8月の日英首脳会談で合意された「日英文化季間2019-20」の一環でもある。

会場は大英博物館の中でも最高の特別展示スペース「セインズベリー・エキシビションズ・ギャラリー」であり、日本文化に関する展示としても、存命の作家の作品展示としても初めての使用である。

■異例ずくめの展覧会

大英博物館では、同館が舞台の1つとなった「宗像教授シリーズ」の原画展が2009年に開催されたほか、日本ギャラリーにおいてマンガが展示されてきた歴史がある。このように、しかし今回の特別展は大規模であり、大英博物館としても異例ずくめと言っても過言ではない。このような取り組みの背景には、青少年層など、従来とは異なる層へのアプローチが見える。

博物館で開催されていることから、美術館での作品展示とは違い社会・文化的な背景や作品の制作に関わるさまざまなことを展示することが求められる。展示を通じてマンガの芸術性を体験し、日本でどのように生まれ世界に広がる文化現象となったかを解説している。

著名な漫画家、主要な出版社・プロダクションの協力によって、手塚治虫氏の『鉄腕アトム』や鳥山明氏の『ドラゴンボール』、尾田栄一郎氏の『ONE PIECE』、萩尾望都氏の『ポーの一族』、東村アキコ氏の『海月姫』など、一つひとつが目玉になるような作品の原画などを見ることができる。

マンガを日本発の文化として捉え、さまざまな海外文化との交流、アニメやゲーム、コスプレなどのパフォーミングアートなどの広がりを展示している。

マンガ、さらには日本文化になじみがない人にもわかるよう、「マンガという芸術」「過去から学ぶ」「すべての人にマンガがある」「マンガのちから」「マンガとキャラクター」「マンガ-制限のない世界」と名付けられた6つのゾーンに分けられ、作品やパネル、映像などの展示方法には多くの工夫が凝らされている。

■漫画家だけでなく編集者や書店にも注目

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