ジャニー喜多川さんに学ぶトップの重大な資質 ビジネスパーソンとして超一流の存在だった

東洋経済オンライン / 2019年7月10日 20時0分

7月10日付のスポーツ新聞各紙は1面トップでジャニーさんの死去を大きく報じました(東洋経済オンライン編集部撮影)

7月9日深夜、ジャニーズ事務所の代表取締役社長・ジャニー喜多川さん(87歳)が亡くなったことを同事務所が発表しました。

ジャニーさんは1962年にジャニーズ事務所を設立し、昭和、平成、令和の3時代にかけて、ジャニーズからフォーリーブス、たのきんトリオ、光GENJI、SMAP、嵐、King&Princeまで、数多くの男性アイドルグループをプロデュース。

2011年には「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」「最も多くのNo.1シングルをプロデュースした人物」、2012年には「最も多くのチャート1位を獲得した歌手をプロデュースした人物」としてギネスワールドレコーズに認定されました。

しかし、ジャニーさんの凄さは、日本のエンターテインメントシーンを彩ってきたことだけではありません。取材者の1人として見聞きしてきた立場から言わせてもらうと、「ジャニーさんは、私たちが学びたいビジネスパーソンとしてのスキルと姿勢を持ち合わせた人物」だったのです。

■「徹底したOJT」による育成システム

ジャニーさんの類まれなスキルとして、真っ先に挙げておきたいのは、タレント(商品)の育成システムを作ったこと。

9日深夜に発表されたジャニーズ事務所の文書には、「ジャニーが私達に最後まで言い続けていたことは、自身の意思を受け継いでくれるタレントを絶え間なく育成し、そのタレントと社員が、エンターテイメントを通じて世界中の皆様に幸せをお届けすることこそが、ジャニーズグループとして決して変わることのない思いであるということです」というフレーズがありました。

タレントの育成こそ、ジャニーさんが最も力を入れていた分野だったことがわかるのではないでしょうか。これが優れていたからこそジャニーズ事務所は、50年強もの長期にわたってエンタメシーンのトップに君臨し、トップアイドルを輩出し続けてこられたのでしょう。

ジャニーさんのタレント育成と言えば、才能を見抜く眼力や、独特のネーミングセンスばかりフィーチャーされがちですが、それらは個人のセンスによるもので、なかなかマネできません。それよりもビジネスパーソンが参考にすべきは、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を徹底した育成システムです。

まず注目したいのは、「ジャニーズ事務所への応募は1年中受け付けられている」ことと「300人超のジャニーズJr.を抱えながらレッスン代は無料である」こと。芸能事務所の多くが「この子に賭けてみよう」というギャンブル要素のあるピンポイントのスカウトをする中、ジャニーズは間口を広めて多くの人材を受け入れ、CDデビューまで5~10年もの歳月をかけて育てているのです。

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