れいわ新選組は「日本新党ブーム」再来なのか 大手メディアが無視する「れいわフィーバー」

東洋経済オンライン / 2019年7月20日 7時10分

品川駅前で行われた「れいわ新選組」の街頭演説を聞く有権者(写真:時事通信)

参院選も最終盤を迎え、安倍晋三首相(自民党総裁)をはじめ各党党首は激戦区に張りついて「最後のお願い」に声をからしている。自民が優勢との予測は変わらず、選挙戦の盛り上がりもいま一つ。投票率低下も懸念されている。

そんな中、各党選対幹部や選挙専門家がこぞって注目しているのが、山本太郎参院議員率いる「れいわ新選組」の戦いだ。

■既存政党を圧倒する山本太郎氏の街頭演説

消費税廃止や最低賃金1500円など「究極のポピュリズム」(自民幹部)ともみえる政策を掲げて有権者に支持を訴える山本氏の街頭演説は熱気にあふれ、既成政党の党首を完全に圧倒している。新聞やテレビがほとんど取り上げない厳しい環境の中、型破りの選挙戦術を駆使する山本氏の挑戦が「線香花火」に終わるのか、それとも新たな政治の萌芽を天空に映し出す「尺玉」となるのか、依然として見通せない状況だ。

主要メディアが実施した全国情勢調査や分析でも、比例代表での議席獲得予測は「1議席も微妙」から「複数も」までと、れいわへの見方は分かれている。従来型の調査手法では、無党派層を中心とした、いわゆる「ステルス票」の動きを把握し切れないからだ。

これまでの衆参選挙でも、多くの新党が浮かんでは消えた。過去の例からみても、今回のれいわ新選組もいわゆる泡沫政治団体の域を出ない。にもかかわらず、既成政党が脅威と受け止めているのは、選挙現場での山本氏の飛び抜けた集客力と聴衆の熱気だ。長期にわたる安倍1強体制が生んだ忖度(そんたく)政治の打破に挑む山本氏の背中を、政治への閉塞感にさいなまれる「声なき声」が後押ししているようにみえるからだ。

山本氏が4月10日にれいわ新選組を立ち上げて以来、インターネットを中心に集めた選挙資金はすでに選挙戦中盤で3億円を超え、山本氏は「あと1億」と叫び続けている。集票のための新聞広告やテレビコマーシャルを打つには、「あと5000万円以上が必要」(山本氏)だからだ。

山本氏の街頭演説には必ず募金コーナーが設けられ、どの会場でも演説の前後に聴衆が列をなしている。酎ハイ1杯を我慢して500円玉や1000円札を差し出す通りすがりの老若男女の表情には、「何かが変わる」ことへの切ない期待がにじむ。政界関係者も「これまでの選挙戦では見られなかった光景」(元国会議員)と首をかしげる。

「大きな音でお騒がせします。山本太郎と申します」で始まる街頭演説。ネット情報で集まってきた聴衆を相手に「生まれてきてよかった、といえる世の中にしましょうよ」と時に涙声で訴える山本氏への拍手と喝采は、「現場にいると、不思議な高揚感に包まれる」(選挙アナリスト)という。「激しい野次に警察官が圧力をかけるような首相の街頭演説とはまったく異質の雰囲気」(同)であることは否定できない。

■「山本太郎は総理を狙います」

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