「本業消滅」を乗り越えた企業の"重要な共通点" 事業が衰退期を迎えたとき何をするべきか

東洋経済オンライン / 2019年7月22日 11時0分

本業転換を行って軌道に乗った企業と、転換がうまくいかなかった企業との違いとは?(写真:富士フイルム(左)、日清紡(右上)、JVC(左下)、いずれも時事通信)

技術革新や消費者ニーズの変化により、あらゆる業種・業界に、“本業喪失”の可能性がある時代。企業は、どのような経営戦略を考える必要があるのだろうか。

『本業転換――既存事業に縛られた会社に未来はあるか』(手嶋友希氏との共著)を著した山田英夫氏が、本業転換を実現するポイントを述べる。

電気自動車が登場し、ガソリン車の生産で培ってきた日本企業のすり合わせ技術(部品を独自に設計し、調整しながら組み合わせることで高品質な製品を作り上げる技術)が、モジュール化の波にのまれてしまうかもしれない。また自動運転が実現すれば、自動車産業だけでなく、運輸業や保険業のあり方も激変する可能性がある。

コンピューターはクラウド化が急速に進み、メインフレーム事業の縮小やSEの大量失業が予想されている。AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)により、これまで人間がやってきた仕事の中で、何年か後には機械に代替されてしまう職業が増えそうである。その結果、金融機関、人材派遣業、シェアード・サービス会社、会計事務所などでは、本業のあり方にも影響が出始めている。

このような非連続変化が、企業の本業を大きく変化させようとしている。

■日本で「本業転換」が難しい理由

社名から祖業を示す言葉が消えていった企業は枚挙にいとまがない。

キヤノン(元・キヤノンカメラ)、花王(元・花王石鹼)、パナソニック(元・松下電器産業)、ブリヂストン(元・ブリヂストンタイヤ)、フジクラ(元・藤倉電線)など、製品に関わる言葉が消えていった例や、HOYA(元・保谷硝子)、JSR(元・日本合成ゴム)、DIC(元・大日本インキ化学工業)、AGC(元・旭硝子)のように製品名が消え、英文字に転換した企業もある。

これらの中には、祖業がすでに本業ではなくなっている企業も含まれている。

本業転換に関しては、海外を見ても、長靴メーカーだったノキアが携帯電話メーカーになり、そして今日では通信インフラの企業になっている。またメインフレームで世界を制覇したIBMが、売り上げの8割近くをソフト・サービス業に転換してきた。

しかし海外メーカーの場合は、雇用慣行や組織の編成の仕方から、コアでなくなった事業を売却し、一方で成長事業を買収するということが、比較的容易に行える。IBMを例にとれば、2000年からのわずか10年間に、HDD、パソコン、印刷システムなどの事業を売却し、一方でデータベースソフトやプライスウォーターハウスクーパースのコンサルティング部門などを買収した結果、大きな事業転換が行われた。

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