トヨタが本気で取り組む「全固体電池」とは何か ポスト・リチウムイオン電池の開発は過熱

東洋経済オンライン / 2019年7月23日 7時10分

車載電池の次世代開発はリチウムイオン電池の次を見据えている(写真:Petmal/iStock)

2019年6月、次世代車開発の大きなカギを握る車載用電池に関する2つの大きなニュースが流れた。トヨタ自動車は7日、車載用電池で中国CATLやBYD、東芝、ジーエス・ユアサコーポレーション、豊田自動織機と連携することを発表した。

とくに中国の大手2社の電池メーカーとの連携は、中国市場における電動車開発から販売に至る過程での選択肢に入れている。CATLとは戦略的パートナーシップの覚書に調印し、電池の品質向上やリサイクル事業も包含する形で幅広い提携となる模様だ。

■激化するポスト・リチウムイオン電池開発

また、26日には電子部品大手の村田製作所が「業界最高水準」の容量を持つ「全固体電池」の開発を発表した。

リリースによると、長時間の利用を前提にしたワイヤレスイヤホン機器やIoT(モノのインターネット)社会の多様なニーズに対応していくとのこと。現時点では材料特性から車載用電池としては不向きだが、今後の発展が期待される。

これらの発表をうけて、世界的に進むEVシフトと連動したポスト・リチウムイオン電池(LIB)の開発競争はより一層激しくなるだろう。その中でも全固体電池は、現行のEV(電気自動車)において主に使用されているLIBの次の「大本命」とされている。

パナソニックの津賀一宏社長は2017年、トヨタ自動車との車載用角型電池事業での協業において「リチウムイオン電池の限界が来るまで全固体電池のシフトを実現するよう準備をしたい」と語っていることからも、まさに電池の主役が変わる移行期に突入しつつある。

全固体電池の構成は正極、負極、それにLIBに適用されている電解液とセパレーター機能に代わって、固体電解質を適用している。発火の可能性のある電解液を燃えにくい固体電解質で置き換えることから、原理的に安全性は大幅に向上する。

固体電解質中を充放電の過程で移動する物質はリチウムイオンのみのため、LIBのような副反応が起こりにくく長寿命化が期待される。また、-30度から100度ほどの低温から高温域の環境に対応できることも特徴だ。

■全固体電池は従来よりも3倍以上の出力

課題は、LIB電解液に劣らないイオン伝導率をもつ固体電解質の開発と、正極、負極の電極と固体電解質との間に形成される界面の抵抗をいかに小さくするかだ。この分野の第一人者、東京工業大学の菅野了次教授とトヨタの研究者らは2016年、全固体電池を試作し、LIBの3倍以上の出力特性を実証したと発表している。

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