乱立する「プロ野球中継」サービスの最新事情 DAZNが広島カープと東京ヤクルト喪失のワケ

東洋経済オンライン / 2019年7月23日 7時50分

最近、テレビでの地上波中継は減りましたが、DAZNなどの進出によりプロ野球中継は多様化しています。写真はイメージ(写真:show999/PIXTA)

今シーズンのプロ野球、巨人戦になると東京ドームのフィールドシートにはDAZNのマークが入った黒いカバーが被せられる。バックスクリーンに映し出されるイニング表示の画像にも、スピードガン表示の横にもDAZNのマーク。DAZNは莫大な広告料と引き換えに、巨人戦の中継権獲得にこぎ着けたことが見て取れる。

DAZNがプロ野球中継に参入したのは2016年8月。広島東洋カープ、横浜DeNAベイスターズの2球団でのスタートとなったが、昨シーズンにパ・リーグ6球団と東京ヤクルトスワローズ、阪神タイガース、中日ドラゴンズの中継も開始。計11球団をカバーすることに成功し、一挙にプロ野球中継サービスの勢力図を塗り替えた。読売新聞と読売巨人軍そしてDAZNが包括提携を開始したのは今シーズンからだ。

ただ、悲願の巨人戦獲得に成功した一方で、カープ戦とヤクルト戦を失い、プロ野球中継のコンプリート達成はできていない。

■黒船DAZNがカープに逃げられたワケ

カープ戦を失ったのは、「広島県内及び一部地域でのライブ配信をしないという条件を飲んでもらえなかったため」(広島東洋カープ球団広報)だ。

カープはDAZNと2016年に3年契約を締結。今回、3年契約の満期が到来し、更新にあたってDAZNとしては全国ライブ配信は譲れなかったとみられ、決裂に至った。

カープ戦は、地元テレビ各局が持ち回りで地上波で生中継をしており、ホームゲームは約8割強、ビジターゲームも6割程度をカバー。各局のHPはカープ応援モード全開だ。

このため、地元各局の電波が届く範囲でライブ放送は遠慮してほしいというのが、カープ側が譲れない条件だった。

ただ、カープ球団は長年、CS放送のJ SPORTSにはライブ放送を許可している。理由は「J SPORTSは協力してもらっているから」(球団広報)だという。

在京キー局と異なり、CS放送は番組を制作する会社と、番組を送信する会社が別々になっている。例えばJ SPORTSなどは番組制作会社で、スカパー!やJ:COMなどが番組を送信する会社。「CS放送局」とは、スカパー!などではなく、CS放送向けに番組を制作する会社のことを言う。

J SPORTSは3つのチャンネルで、カープ主催の全ゲームの制作をしている(球団とCS放送局の組み合わせは下記一覧参照)。

スカパー!は日本シリーズを除くプロ野球公式戦全試合を視聴できる「プロ野球セット」というサービスを持っているが、これはJ SPORTSやGAORA SPORTSなど、各球団の全主催ゲームの番組制作をしているCS放送局の視聴ができるサービスだ。

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