「ボイコットジャパン」で韓国LCCに赤信号 「ドル箱」日本路線にキャンセルが相次ぐ

東洋経済オンライン / 2019年7月25日 8時30分

7月5日、ソウルの日本大使館近くで、日本製品のロゴをあしらった箱を踏みつける韓国のビジネスマンら(写真:EPA=時事)

会社員のカン・ユジンさん(28)は、夏休みの東京旅行のために予約した韓国・チェジュ航空のチケットをキャンセルしようかどうか悩んでいる。韓国で広まる日本製品の不買運動のためだ。

ネット上ではすでに、日本旅行の感想を記した投稿を非難するコメントが増えている。カンさんは「日本旅行をキャンセルしたとの投稿が多い。LCC(格安航空会社)の便を予約したのでキャンセル料を支払わなければいけないが、キャンセルするつもりだ」と打ち明ける。

■広がる「ボイコットジャパン運動」

日本路線を拡大させることで成長してきた韓国のLCC業界に赤信号が灯った。日本政府が韓国に対する半導体素材関連品目の輸出規制を行い、韓国ではそれに反発して日本旅行をキャンセルする動きが急速に広がっているためだ。「ボイコットジャパン」と言える動きで、航空業界では「反日感情の高まりが、日本路線が多いLCCの収益性に悪い影響を与えないか」と不安な声が強まっている。

韓国LCCがいかに日本路線へ依存しているかをみてみよう。韓国のLCCは現在6社。6社が運航中の国際線は232路線あるが、日本行きは87路線と全体の37.5%を占める。

業界トップのチェジュ航空は、国際線68路線のうち22路線(32.4%)が日本路線だ。ジンエアーは28路線中9(32.1%)、ティーウェイ航空は53路線中23(43.4%)、イースター航空は34路線中12(35.3%)、エアプサンは32路線中10(31.3%)、エアーソウルは17路線中11(64.7%)を日本路線が占める。

LCC業界全体の売り上げに日本路線が占める割合も高い。2019年第1四半期(1~3月)でみると、ティーウェイ航空は売上高の30.9%が日本路線だ。これは、大韓航空の11%、アシアナ航空の14%の2倍超だ。同期間中、チェジュ航空は25.6%、ジンエアー24.0%が日本路線からだった。航空業界関係者は「LCCは日本の主要都市はもちろん、地方の中小都市に路線を広げることで成長した。日本路線が落ち込めば、業績も悪くなる他はない」と言う。

反日感情の高まりが、確実に日本路線への搭乗客を減らしている。今年7月第1週には83.5%だった仁川(インチョン)・関西路線の平均搭乗率は、同月第2週には75.5%と8ポイント下落した。イースター航空を除く6社は、すべて90%超の搭乗率だった。

これまで同区間の平均搭乗率は80%超が続いており、「ドル箱路線」とされてきた。特に団体旅行客のキャンセルが増えた。個人旅行には大きなキャンセルの動きは出ていないが、日本行きの航空券をキャンセルした証拠となる書類などをわざわざSNS(交流サイト)で公開する者も増え始めた。さらに、官公庁や公的機関などを中心に団体客が7~8月の旅行をキャンセルする動きが相次いでいる。

■旅行代理店でも日本旅行が大きく減少

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