孤独死した50代警備員の部屋に見た残酷な孤立 男は誰にも助けを求められずに最期を迎えた

東洋経済オンライン / 2019年7月28日 7時30分

孤独死は現役世代にとっても無縁ではない(写真:Tzido/iStock)

壁1枚隔てた隣の部屋で、床をうじがはい回る孤独死が起こったり、緩やかな自殺と呼ばれるセルフネグレクト(自己放任)に陥り、かろうじて命をつないでいる隣人がいたりする。年間孤独死者3万人、孤立状態1000万人、それが私たちの生きている社会の現実だ。

じめじめした梅雨は、孤独死が多く発生する。湿度は温度以上に、体を弱らせる強敵となる。今この瞬間も特殊清掃業者は、休みなく働いている。とくに「今年は例年以上に孤独死の件数が多い」との声が、業者たちから続々と寄せられている。

そのほとんどが、現役世代の孤独死だ。私は『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』の執筆にあたり、孤独死を追い続けているが、その数は減ることはなく、ますます増えていると感じる一方だ。

■亡くなられた方への思い

「セルフネグレクトに陥ってから、心臓が止まるまでの時間は、そう長くはないんです。現役世代が抱えやすいストレスの多い社会は生きながら毎日を死に追いやってしまう。僕は、亡くなった人の部屋を片付ける以上、どんな人で、何が原因で孤独死したかを知っておきたいんです。僕が今、生きている人たちにメッセージとして伝えたいから」

この日も、(一社)日本遺品整理協会の理事、上東丙唆祥(じょうとう ひさよし)さんは、孤独死現場に足を踏み入れようとしていた。

6畳ほどのワンルーム。この部屋で亡くなったのは50代後半の山田聡さん(仮名)で、死後1カ月以上が経過していた。発見したのは管理人で死因は衰弱死、もしくは突然死だと上東さんは推測する。

玄関には、杖が1本ポツンと掛けられていて、ドアを開けるとユニットバスは、黄色い尿入りのペットボトルで埋め尽くされていた。ツンとした臭いが鼻につく。

空っぽのシャンプーやリンスが放置され、小さなキッチンには電気コンロがあり、冷蔵庫はワンドアタイプで中は空っぽだった。

ベッドはなく、読まれていない新聞で部屋中が埋め尽くされている。36インチのテレビは、段ボールで支えられている。簡易式の洋服掛けには、警備会社の制服や制帽が掛けられていた。仕事は警備員だったらしい。

入り口近くに、体液が広がり、凄まじい異臭を放つ。山田さんは、ゴミに埋もれた形で死を迎えたのは明らかだった。

上東さんら特殊清掃人は、体液のたっぷりとしみ込んだ紙ゴミをビニール袋に詰めていく。その下には、大量のうじがうごめいていた。

地方に住む両親からは、手紙や野菜、米などが定期的に送られてきていたが、そのままの状態で放置されていた。食生活はほとんど外食で、炊飯器は何年も使用した形跡はなかった。

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