トランプの巧みな戦術を民主党は突破できるか 民主党はどのような大統領候補を選ぶのか

東洋経済オンライン / 2019年7月29日 7時0分

トランプ大統領の支持基盤は現状以上に広がらないが、すでに支持している人々の信念は強固だ(写真:REUTERS/Kevin Lamarque)

2020年アメリカ大統領選に向けて、トランプ大統領は今のところ支持基盤を広げる試みは行っておらず、支持率は伸び悩んでいる。ギャラップの最新世論調査(7月1~12日)では、大統領の支持率は44%、不支持率は51%だ。好調な経済が追い風になっているにも関わらず、「支持」が「不支持」を上回ったことは一度もない。

ただし、支持率は頭打ちでも、「5番街支持者」(注)とも呼ばれる根強い支持基盤があり、政権発足以来、支持率がほとんど下がらないのも特徴だ。景気拡大が史上最長を達成したこと、トランプ陣営の資金力・情報分析力に加え、現職が有利であることを考慮すると、現時点ではトランプ氏再選の可能性が高い。2016年と同様に得票率では大差で負けても、選挙人制度の仕組みによって再選を果たすことは大いにあり得る。

それでも、大統領選までは15カ月以上、民主党予備選までは半年以上と多くの時間が残されている。この間に何が起こるかはわからない。現時点で見えてきた、これから選挙戦を左右しそうなポイントについて、まとめてみたい。

■「信任投票」でなく「トランプ vs.社会主義者」に

歴代大統領と異なり支持率がこれから大幅に高まる可能性は低いため、トランプ氏が再選するには、大統領選を自らの「信任投票」とすることは避けて、民主党の対抗馬との「比較の選挙」とする戦略が有効だ。2016年大統領選においても、トランプ候補はさまざまなスキャンダルが問題視されたにもかかわらず、自らが大統領として相応しいかどうかではなく、自らとヒラリー・クリントン候補とのどちらがよいか、という「比較の選挙」に持ち込んだことで勝利した。そのため、民主党候補を「社会主義者」、「不法移民を容認している」などと批判している。

すでにトランプ陣営は、「トランプ大統領か、社会主義者か」の選択をアメリカ国民に迫っている。ワシントンポスト紙-ABCテレビによる最新世論調査(6月28日~7月1日)では、「仮にトランプ大統領と、あなたが社会主義者と位置付ける民主党候補が対決した場合、どちらを支持するか」との質問が設けられ、これに対する回答で、「トランプ」が「社会主義者」を49%対43%で上回った。トランプ陣営は民主党の誰が候補となったとしても「民主党の大統領候補は社会主義者である」とのレッテルを貼る試みを始めている。

注)2016年大統領選最中の支持者の集会において、トランプ大統領は「5番街のど真ん中で誰かを拳銃で撃っても支持者を誰も失わない」と語った。ここから、強固なトランプ支持者は「5番街支持者」とも称される。

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