トランプの巧みな戦術を民主党は突破できるか 民主党はどのような大統領候補を選ぶのか

東洋経済オンライン / 2019年7月29日 7時0分

7月にトランプ大統領は進歩派で非白人かつ女性の4人の下院民主党新人議員「スクワッド(Squad:分隊)」を攻撃した。民主党の大統領候補や民主党指導部はスクワッドを擁護したが、この行為は民主党の大統領候補にとっては命取りとなりかねない。民主党全体が極左であるというイメージを持たれるかもしれないからだ。

現実にはペロシ下院議長をはじめ民主党指導部が下院の議題を設定している。特に2018年中間選挙で共和党の牙城を奪って当選した多くの民主党議員は穏健派であるため、民主党進歩派の4人の議員は党内でも少数派であり、影響力は限定的だ。だが、トランプ氏がスクワッドの批判をすればするほど、民主党進歩派に注目が集まり、国民の民主党に対するイメージは極端な左に偏りかねない。トランプ氏は民主党大統領候補についてもスクワッドと同様の極左であるとのレッテルを貼って「比較の選挙」に持ち込むことが予想される。

■2020年、再びラストベルトが焦点に

2016年大統領選を振り返ると、得票率ではクリントン候補がトランプ候補を2.1%ポイント(約290万票)上回ったものの、ブルーウォール(注)であったはずのラストベルト地帯3州(ウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニア)でトランプ氏がクリントン候補を計7万8000票上回る僅差で勝利した。これら3州は2016年までの20年間(1992~2012年)、毎回民主党の大統領候補が勝利しているが、ヒラリー・クリントン候補がここに注力しなかったことは明らかな選挙戦略ミスであった。

したがって、2020年大統領選で民主党候補がホワイトハウスを奪還するには、ラストベルト地域のブルーウォールを再構築する必要があると考えられる。仮に選挙人が多い激戦州のオハイオ州やフロリダ州で共和党に負けたとしても、クリントン候補が勝利したすべての州に加えこれらのラストベルト3州で勝利すれば、大統領選を制することができる。

2008年・2012年の各大統領選ではバラク・オバマ元大統領に投票し、2016年にはトランプ候補にくら替えしたオバマ-トランプ有権者は「トランプ・デモクラット」と呼ばれるが、その支持を取り戻すことが最重要策となろう。問題は民主党が果たして、ラストベルト地域の「トランプ・デモクラット」にアピールできる候補を選べるかどうかだ。この人々はトランプ氏の強硬な移民政策や貿易政策を支持しているからだ。

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