「カジノの日本上陸」が不安な人が知るべき事実 「IR」の主役は実は別のところにある

東洋経済オンライン / 2019年7月31日 7時10分

日本で“カジノ法”とも呼ばれるIR整備法が成立しました。今後、日本にどのような影響を及ぼす可能性があるのでしょうか?(写真:Eloi_Omella/iStock)

2018年7月、特定複合観光施設区域整備法(以下、IR整備法)が成立し、日本国内に最大3カ所のIRが誕生する運びとなった。“カジノ法”とも呼ばれるIR整備法。はたしてIRはカジノにすぎないのか?

『IR〈統合型リゾート〉で日本が変わる カジノと観光都市の未来』を刊行した、統合型リゾート運営企業である日本MGMリゾーツ社長のジェイソン・ハイランド氏に聞いた。

■統合型リゾートとはいったい何なのか

――ハイランドさんはユニークな経歴をお持ちですね。

私の前職は、駐日アメリカ臨時代理大使でした。2017年の夏に外交官としてのキャリアを終え、現職に就きました。それまでは、在札幌アメリカ総領事館、在福岡アメリカ領事館に駐在し、臨時代理大使になる前は東京のアメリカ大使館で首席公使を務めました。学生時代を含めると、私の日本滞在期間はすでに17年にも及びます。日本は、私にとって特別な国なのです。

――「統合型リゾート」と訳されることも多いIRですが、日本ではまだあまり詳しくは知られていません。

IRは“Integrated Resort”という英語の略です。このリゾートには、カジノ、ホテル、エンターテインメント施設などが含まれ、それぞれを連携させることで魅力を倍増させるようにデザインされています。

IRの導入については、IR整備法成立前から多くの議論が蓄積されてきました。なかでも焦点となったのは「カジノの合法化」そのものです。実に多くの人が、巨大なカジノが国内にできたらギャンブル等依存症が増えるのではと懸念したのです。整備法成立から約1年が経過した現在も、同じ不安を抱いている人は多いのではないでしょうか。

これまで日本にはカジノもなければ、IRもありませんでした。それを初めて導入するのですから、まさに劇的な変化です。

まず、IRはカジノだけではないという点についてですが、私がいつもお答えいただいているクイズがあるので、答えてみてください。

(問) IR内において、IR整備法が定めるカジノスペースの占有面積の割合上限はどのくらいだと思いますか?

①50%、②80%、③3%

正解は③の3%です。

IRが誕生すると、その施設の主要部分はカジノが占めると認識している方は多いかもしれませんが、実際にはカジノが主役なのではありません。

では何がIRの目玉なのでしょうか。先ほども触れましたが、まず数千規模の客室を擁す国際競争力を有したホテルと、大規模なイベントを開催する展示場スペースが入ります。続いて、アリーナや劇場などのエンターテインメント施設、美術館などの文化施設、日本各地への観光を案内するビジターセンターと、ウェルネス関連の施設が多くのスペースを占めることになるでしょう。

■特徴的なのは、会議やイベントに使える施設

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