ピーチが「ANAの真逆」で成功を収められた本質 「他者がやらないこと」を大切にするワケ

東洋経済オンライン / 2019年7月31日 17時50分

ユニークな仕掛けを次々と繰り出し、勝ち組航空会社となったピーチの本質に迫ります(東洋経済オンライン編集部撮影)

『「おもろい」働き方で社員も会社も急上昇する Peachのやりくり』(井上慎一著、東洋経済新報社)の著者は、航空業界で「LCC(ローコストキャリア)」と位置づけられているPeach Aviation(以下:ピーチ)の代表取締役。

本書においては同社のユニークな仕事術を紹介しているわけだが、まず注目すべきは、井上氏が冒頭から「LCC」の意味についての話題を持ち出している点である。一般的にそれは「格安航空会社」と呼ばれることが多いが、最も正しい日本語表現は「低コスト航空会社」だというのだ。

■「格安」と「低コスト」の意味は大きく違う

似たようなものだと思いがちだが、「格安」と「低コスト」の意味は大きく違うというのである。なるほど「格安」は単に商品やサービスの価格を指すものだが、「低コスト」は商品やサービスを生み出すための費用を指すものだ。

たしかにお客様には、「こんな金額で飛行機に乗れるとは!」という驚きとともに、ご搭乗いただいています。けれども、LCCの本質は「安い運賃で運行すること」ではありません。すくなくとも、私たちピーチにとっては。

「試行錯誤を重ねながら仕組み・やり方を変え、生産性を上げて、低コストで運営することで、結果的に低運賃を実現する」

これこそが、LCC、とりわけ私たちピーチの社員が仕事をするときに基本としている考え方です。(「はじめに」より)

低コストで生産性を上げ続けてきたからこそ、安い運賃で運行し、乗客によりよいサービスを提供でき、会社も利益を上げているということ。いわば、安い運賃での運行はあくまで結果でしかないというわけである。

しかも重要なのは、「低コストで生産性を上げる」という取り組みを「切り詰め」のようなネガティブ思考から始めるのではなく、明るくポジティブに、楽しみながらやりたいという発想があることである。そして、そのために「やりくり」ということばを大切にしているというのだ。

とにかく「コストダウンを」と言うよりも、「やりくり」で最大限、生産性を上げていくことをめざすほうが、はるかに仕事の「おもろさ」があるし、それが成功したときのよろこびも大きなものがあります。

ですので、私はピーチの社員たちに、こう言っています。

「必要なモノは調達するとして、できるかぎり“やりくり”しよう」(「はじめに」より)

ピーチは就航3年で単年度黒字化を達成し、累計損失を5年で一掃できたというが、それも「やりくり」のおかげだと主張するのだ。では、そのための発想はどのようにして生まれたのだろうか? そこに焦点を当てると、ピーチの秘密が見えてくる。

■これ、やってみたらおもろいんちゃう?

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