「A4雌牛」の焼肉チェーンがじわじわ伸びたワケ うたい文句は「コスパ日本一の焼き肉専門店」

東洋経済オンライン / 2019年8月1日 8時0分

焼肉チェーン「牛8」はどのように出店を伸ばしていったのか。7店目となる渋谷店は1日100名の客入りがあるという(筆者撮影)

牛肉といえばハレの日のごちそう。そんなイメージはもう昔のものかもしれない。ステーキ立ち食い専門店の台頭や、1人焼き肉サービスの浸透など、肉ブームを通り越し、好きなときに好きなように牛肉を食べることが当たり前となっている。肉に対するハードルが下がったといえようか。

日常的になったからこそ、肉をなりわいとする店は、どう消費者にアピールするかが難しくなっている。

■「コンセプト売り」のアイデアマンが運営する焼き肉店

そんな中、「A4ランク雌牛」というやや細かい情報を武器に、じわじわ出店を伸ばしているのが、牛8(USHIHACHI・うしはち)である。2015年、錦糸町への出店に始まった同チェーンは、2017年にはスクランブル交差点を見下ろすビル内に7店舗目となる渋谷店を出店。現在、USHIHACHIブランドで12店舗、コンセプトの異なるウシハチJr.3店舗を展開している。

運営しているのはパッションアンドクリエイト。2009年に立ち上げた低価格時間制食べ放題の焼き鳥店「焼き鳥の鉄人」など、七輪や炭火焼きの店を展開する企業だ。社長の豊島堅太氏は「コンセプト売り」を得意とするアイデアマン。

「当時、居酒屋市場が縮小していた。カラオケと同じように、飲食店も時間売りにすれば、お金や時間を消費する不安がなくなるので客がくるのではないか、という発想が基になりました」

「1500円だけ握りしめて来い!」のキャッチコピーが効いたのか、思った以上の反響があり、平均して100人の来店があったという。ただ、失敗もあった。

「集客は居酒屋としてはまあまあというところでしたが、利益が出ませんでした。売れるほどに赤字になってしまうということで、コンセプトとしてはよかったのですが収益モデルとしてはダメだった」(豊島氏)

そこで人件費を下げるために、客が焼く七輪焼きの店へとマイナーチェンジしたが、またもやうまくいかず。「七輪で自分で焼く焼き鳥」がなじみのないスタイルだったためか、思ったほど売れなかった。

「じゃあ、焼き肉食べ放題の店はどうだろう、と、長く焼き肉業態を営んでいる人に相談したところ、『一度、しっかりとした焼き肉店をやったほうがいいよ』とアドバイスされました。『商品で売る』というまっとうなことは面白くないという気持ちがあったのですが……。しかし、バックボーンがないコンセプトだけのものはお客様に見透かされるということがわかりました」(豊島氏)

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