独断で選ぶ「私鉄特急」、東の横綱級がずらり ロマンスカーにAE形、各社の代表列車が登場

東洋経済オンライン / 2019年8月1日 7時0分

東武100系「スペーシア」には”日光詣”のゴールドに装われた編成もある(姫宮―東武動物公園間、2018年10月25日/筆者撮影)

JR在来線の最強特急車選び(3月13日付”平成最後を飾る、JR「史上最強」の特急列車は?”)では、性能面を重視しつつも、地域特性やコンセプトなどをマルチに加味した結果、大方の予想を裏切ることになったようである。

この記事の公開直後に編集部から与えられたお題は“最強の私鉄特急車”。これはもう、ひとこと、“無理”の世界である。ということで春先以来ずっと、筆者の頭の中で、古今東西の私鉄特急車が渦巻き続けてきた。以下は、歴史的経緯も新たに含めつつ導き出した、1つの選択である。鉄道会社1社につき1つ選んだが、それでも数が多いので、今回は関東の鉄道会社のみ。中部・関西の鉄道会社は次項に譲る。

■30年経っても主役、東武100系“スペーシア”

東武鉄道の特急車といえば、一定以上の年配の方は“デラックス・ロマンスカー”、略してDRCと呼ばれた電車を頭に思い浮かべるかもしれない。1960年、国鉄日光線との熾烈な乗客誘致競争に勝利するために企画され、華々しくデビューしたDRCは、冷暖房を完備し、フルリクライニングシート、サロンルームなどを備えた豪華設備をもち、一部の列車は浅草と東武日光との間をノンストップで結んだ。

その後継車として1990年に登場したのが“スペーシア”こと100系電車である。客室は、ゆったりした間隔で並ぶフルリクライニングのシートやビュフェコーナーのみならず、私鉄初の個室など、東武鉄道の看板列車用にふさわしくハイレベルな設備となった。

技術的にも、アルミ合金製の流線形車体や車体との段差がないプラグドアを採用し、走行性能の面でも当時の最先端技術だったインバータ制御をいち早く取り入れた。

1991年には、日光および鬼怒川方面への特急は“スペーシア”で統一され、以来約30年の間、東武特急の主役の座を保ち続けている。

2006年には、かつて競争関係にあった国鉄が分割民営化して発足したJR東日本との相互直通運転が始まった。使われる車両はもちろん“スペーシア”である。歴史を知る人々にとっては、池袋や新宿の駅に東武の特急が発着する光景は、時代の移り変わりを感じさせるものである。

2011年からは、客室のリニューアルと合わせて外観の塗装デザインも一新され、編成ごとに異なるカラフルな色づかいとなって、現在に至っている。デビューから30年を経てもなお、新型車を差し置いて主役であり続けることができるのは、“スペーシア”自身の、たゆまぬ進化のたまものなのである。

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