愛煙家の聖地「スナック」に押し寄せる禁煙の波 禁煙化に踏み切ったスナックに聞いてみた

東洋経済オンライン / 2019年8月1日 7時10分

駅から徒歩3分程の雑居ビル2階にその禁煙スナック「Natsu夏」はあった。

扉には禁煙マークのシールが貼られ、その横には、「飲み放題&歌い放題3時間(金曜2時間)3000円」と明記された料金ボードが。明朗会計、非常にリーズナブルなスナックである。扉を開けると、スナック特有の壁に染み付いたヤニ臭が一切しない、クリーンスナックだ。

菓子が入った瓶や、烏龍酎、コーヒー酎、むぎ酎などの珍しい酒瓶が並ぶカウンターに腰かけると、18時という早い時間にもかかわらず、先客が気持ちよく演歌を歌いはじめた。常連に愛されているのがわかる。

ママのちなつさんに、なぜ新橋という場で禁煙スナックをはじめたのか聞いてみた。

「禁煙スナックNatsu夏は、2011年1月にオープンし、今年で8年目。きっかけは、知人がオープンするワインバーの隣が開いていて、『隣同士でやらない?』と誘われたからなの。

OLを辞める決心をして、内装工の現場に立ち入ったとき、空気がこもっていている店内を見て『これはまずい!』と思ったわ。私が喘息だったこともあり、思い切って禁煙のお店にしてみたのよ」。

酔っ払ったサラリーマンの多い新橋。タバコを吸う人も多いだろう。はたして、禁煙スナックは成立するのだろうか。

「表の看板や、扉の前にも禁煙マークは出しているんだけど、やっぱりスナックはタバコが吸えて当然と思って来られるお客様も多いわよね。これまでも、無意識にタバコに火をつけるお客様がいたわ」とちなつママ。

「でも、『うちは禁煙なのでタバコは外の灰皿でお願いします』と言うと、みんな素直に応じてくれるわね。それ以降、初めて来られる方には、『うちは禁煙ですけどいいですか?』って声かけるようにしているの。禁煙と聞いて帰るお客様もたまにいるけど、最近は、禁煙を目当てに来られる方も増えています」

実際、この日たまたま訪れたという客もぜん息持ちで、タバコは苦手だという。タバコの煙がいっさい漂っていない「Natsu夏」をすっかり気に入ったらしく、お酒を飲みながら気持ちよさそうに持ち歌を披露していた。

「以前は、扉の前に灰皿を置いて、タバコを吸いたい人は扉の外で吸ってもらっていたわ。でも、吸った後の残り香や煙がどうしても店内に入ってきてしまう。それで、令和に改元したタイミングで、店外の灰皿も撤去したの。

年配のお客様の中には時折クレームをいう人もいるけど、今では、女性や若い団体客などの常連が増えたわね。1人で来る女性客も多いし、出張の度に顔を出してくれるお客様、歌が好きで集まる常連もいるわ」(ちなつママ)

■3年前に禁煙スナックに切り替えた

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