萩生田氏「衆院議長交代」発言、本当の狙いとは 政権3本柱を全員異動させ、安倍新体制づくり

東洋経済オンライン / 2019年8月1日 20時0分

自民党の萩生田光一幹事長代行(左)の発言が、二階俊博幹事長(右)の棚上げを狙ったものではないかとして、永田町に波紋を広げている(時事通信)

自民党の萩生田光一幹事長代行が国会での憲法改正論議をめぐり、衆議院の大島理森議長の交代論に言及したことが政界に複雑な波紋を広げている。

萩生田氏は安倍晋三首相の側近。安倍首相が9月中旬にも断行するとみられる安倍新体制人事とも絡んで、自民党内でもさまざまな憶測が飛び交っている。

■議長後任候補は二階幹事長、狙いは棚上げ?

萩生田発言を受けて、大島議長の後任として取り沙汰されているのは二階俊博幹事長だ。与野党に幅広い人脈を持ち、「政界の絶滅危惧種」(自民長老)と評されるほど権謀術数に長けた政治家だからだ。「改憲実現を悲願とする安倍首相の意向を踏まえて、国会での改憲論議を自在に動かせる人物は二階氏以外には見当たらない」(自民幹部)との見方は多い。

ただ、参院選の与党勝利で二階氏は幹事長続投に意欲満々とされる。衆院議長に就任すれば党籍や派閥からの離脱が慣例で、これまでのように党の資金や人事を牛耳り、派閥領袖として政権運営での剛腕も振るえなくなる。

このため二階氏周辺も「実質的には議長人事に絡めて、二階氏の棚上げを狙ったもの」と身構える。自民党ナンバー2の実力者の二階氏が党運営の中軸から外れれば、9月の党役員・内閣改造の人事構想も「根底から変わる」(自民幹部)とみられているからだ。

夏休み明けの安倍首相は側近の言動に表立って反応せず、菅義偉官房長官も「政府としてのコメントは控える」とそっけない対応だ。その一方、議長を支える立場の高市早苗・衆院議院運営委員長は「賛同できない。議長は憲法審だけでなく、衆院全体の運営に責任を持っている」と指摘し、立憲民主党の手塚仁雄・議運委筆頭理事も「無礼千万だ」と猛反発した。このため萩生田氏は大島氏に謝罪したとされるが、発言の意図については明確にしていない。

また、二階氏は7月30日の会見で、萩生田氏から「言葉足らずで誤解を与えたようだ」と29日に釈明があったことを明らかにした。これを受けて二階氏は、慎重に発言するよう注意したと説明した。

■二階幹事長の後任に取り沙汰される人物

萩生田氏の発言は、安倍首相が夏休み中の7月26日夜のインターネット番組で飛び出した。首相に近いとされる保守派ジャーナリストらとの討論の中で、「(安倍)総理が(衆院)議長を二階さんにお願いすれば、それは安倍さんが絶対にやり遂げる意思と解釈していいか」「弱い議長だと院は動かない」などと水を向けられ、萩生田氏は「憲法改正するのはまさしく国会。最終責任者は総理でなく、議長だ。大島さんはどちらかといえば調整型、今のメンバーでなかなか動かないのなら、有力な方を議長に置いて、憲法改正シフトで国会が(憲法論議を)行っていくのは極めて大事だ」と語った。

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