トヨタに逆風?中国「HV優遇」転換で起きる懸念 政府が軌道修正、HV先行の日系企業の行方

東洋経済オンライン / 2019年8月2日 8時20分

中国HV市場で日系HVシェアは95%も占める。NEV政策の修正は日系企業への影響も大きそうだ。写真は一汽トヨタの「Corolla」(筆者撮影)

中国政府は今年7月に新エネルギー車(NEV)政策の修正案を公表し、ハイブリッド車(HV)も優遇する政策の検討を始めた。この政策の軌道修正は日系企業が得意とするHVに強みを持つ日本車の需要も喚起するだろうか。

中国政府は2012年から補助金の支給を通じて電気自動車(EV)、プラグインハイブリット(PHV)を中心とするNEVシフトを加速させてきたが、HVはNEV政策の優遇対象から外されてきた。

2019年から適用されたNEV規制では乗用車メーカーに対して一定比率のNEV生産を義務付けている。

■NEV政策はどのように軌道修正されたのか

これに先立ち、中国政府は2018年4月にCAFC(平均燃費消費)規制とNEV規制の「ダブルクレジット政策」を実施し、罰則付きの燃費規制およびNEV生産義務により完成車メーカーの「NEVシフト」を促した。乗用車メーカーにすれば、燃費規制への対応の遅れがNEVの生産負担を増長させることから、この政策は、中国政府の巧妙な取り組みと見られた。

ところが現実には、地場メーカーの多くはNEV規制に配慮しつつも、足元では依然として排気量の大きい車や燃費性の悪い車種の生産に注力していて、乗用車メーカー各社の2018年度燃費目標達成状況を見ると、輸入企業を含む規制対象企業141社のうち、約5割の企業が目標未達成となった。燃費超過分がNEV生産やNEVクレジットの購入で賄うことができるものの、中国政府の省エネ化方針に反するものとなっている。

今年7月9日に発表された「ダブルクレジット政策」の修正案では、乗用車生産・輸入台数に占める「NEVクレジット」の比率(2019年10%、2020年12%)が2021~2023年に2%ずつ増やし、1台当たりの「NEVクレジット」ポイントを約半分に引き下げることにより、メーカー各社にNEV生産量の増加を求めている。

一方で、CAFC規制をクリアした車種が「低燃費車」と定義され、それに対する「NEVクレジット」ポイント算出を優遇するとしている。

例えば、乗用車メーカーは2019年にガソリン車やHVを100万台生産した場合、2万台のEV(航続距離400km)を生産する必要がある。しかし修正案ではガソリン車ならEVを3万6000台生産、「低燃費車」とされるHVならEVを7000台生産すればクリアできる。そこからは、HV生産の実績がある自動車メーカーを評価する意図が見受けられる。

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