古今亭菊之丞が「志ん生」に紡ぐ古典落語の魅力 まさに「上質な芝居」、いだてんの落語指導も

東洋経済オンライン / 2019年8月4日 8時10分

今回は、古今亭菊之丞(ここんてい きくのじょう)師匠に話を聞いた。落語協会所属(撮影:尾形文繁)

何かと話題のNHKの大河ドラマ「いだてん」は、第2部に入った。このドラマでは、ビートたけし演じる昭和の爆笑王、五代目古今亭志ん生がストーリーの案内役を務める設定になっている。

若き日の志ん生を演じる森山未來や、後半に登場する六代目三遊亭圓生を演じる中村七之助に落語指導をしているのが、古今亭菊之丞だ。

菊之丞は、五代目志ん生の弟子である二代目古今亭圓菊の弟子。つまり志ん生の孫弟子にあたる。その縁もあるだろうが、筋目のよさだけで起用されているわけではない。

■中学で落語家を志す

古今亭菊之丞は1972年10月7日、東京都渋谷区に生まれる。

「子どもの頃は大変な漫才ブームで、ツービート、B&B、紳助・竜介、そういう方々が毎日のようにテレビに出ていた。私は引っ込み思案な人間でしたけれども、お笑いを借りてやると、なんかこう、ものがしゃべれると言いますかね。最初、漫才をやったんですけど大阪の言葉でやらなきゃいけないものだと思っていた。だから落語ならいいだろうと。

中学の頃に母の実家の千葉県市川市に引っ越したのですが、そこで出会った先生が、落語研究会を作って、全員に小咄をやらせたんですね。何十人かいる中で、1年生の私がどうもいちばんうまかったらしくて。“おまえが部長をやりなさい”って、そんな先生に出会っちゃったものですから。それで寄席通いが始まったんです」

落語にハマった菊之丞は、中学卒業と同時に落語家を志す。

「落研を作った件の先生と母との三者面談のときに、先生が“どうかこいつを落語家にしてやってください”と言ったんです。

お袋は、ぽろぽろ泣いて“先生がそうやってそそのかすから、うちのせがれはその気になるんですから”と。そこで先生も、“まあ、高校は出させますから。どうかお母さん、お願いします”と言ったんです」

高校生ともなれば、いろんな将来を思い描くが、入学時に「将来は落語家になる」ことを決めている高校生というのも珍しい。

高校時代も当然、落語に夢中になったが、同じ市川市在住の演芸評論家、小島貞二(1919~2003)の紹介で、二代目古今亭圓菊に入門することとなる。

小島貞二は筆者も面識があったが、元出羽海部屋の力士にして放送作家の走り。落語家、力士など極めて顔が広かった。子息は「およげたいやきくん」プロデューサーの小島豊美だ。

「一応大学も受験しましたが、それは親を安心させるためのポーズで、落語家になることは心に決めていました」

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