専業主婦がいないと回らない日本の「構造問題」 複雑に絡み合う問題を分解する

東洋経済オンライン / 2019年8月7日 10時0分

教育→仕事はこれまでは人材が教育サイドから新卒一括採用で送り込まれるだけだったけれども、一度仕事に就いた人が再度戻ってリカレント教育を受けるとか、仕事サイドとの対話によって職業にとって有用な教育訓練をしていく。

仕事→家庭では妻が家族賃金を受け取るという形ではなく、きちんと男女ともにワークライフバランスが実現され、男性も家庭に関わるし女性も仕事や公的な場で報酬と発言力を得る。

家庭→教育も、家庭の資源によって子どもの有利・不利が左右されすぎないよう、学校が子どもの教育達成を保障したり保育園が増えて子育てに関する家族の負担を減らすといったことを提示されています。こうした双方向にしていく動きについて変化は見られますか。

本田:10年間こうした内容を発信してきたのですが、最近ようやく国の議論でも同じようなことが土俵に上がりはじめていると感じます。

まず仕事については、従来のような、時間・場所・職務が限定されず「いつ転勤辞令が出てもどこにでも行きます」「どんな業務でもやります」といったメンバーシップ型の働き方ではなく、ジョブ型雇用、つまり、ある特定の業務や、勤務場所、時間などを固定して働ける正社員を増やしていく必要がある。企業によってはテック系専門人材に新卒から1000万円を提示するといった事例がでてきていますよね。こういったことは事務系でも可能なはずです。

中野:ジョブ型正社員と、日本企業における終身雇用に代表されるメンバーシップ型正社員。今後、その両方が存在する企業が増えていくとして、ジョブ型は社内にその仕事がなくなると解雇されうる、という状況ですよね。

そうなると多くの人は、解雇の不安がない旧来型のメンバーシップ型を選びがちなのではないでしょうか。それでは、日本の会社全般として働き方は改善しないように思います。システム全体をジョブ型に変えていく必要があるのではないでしょうか。

本田:でもいきなり全体をジョブ型に、というのは現実的ではないのではないかと思います。ジョブ型にしていくには、ジョブディスクリプション(その人の職務範囲を決めること)が必要です。

しかし、日本企業の人事自体に専門性がなく、前例踏襲をしてきたために、社員の採用や配置に関する新しい制度や取り組みの導入には腰が引けています。まずは部分的にでもジョブ型正社員を導入し、徐々に拡大していくというステップを踏むことは必要だと思います。

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