「就活川柳」に込められた学生たちの喜怒哀楽 「祈っても 想い届かず 祈られる」と嘆く声も

東洋経済オンライン / 2019年8月8日 7時40分

ただし、採用人数の多い大手企業では、入社後の活躍期待値の高さや内定辞退の可能性によって、内定者をグループ分けしていることがある。どのグループに振り分けられているかによっても、内定辞退を申し出たときの対応は異なる。

■都市伝説は今もある?

もちろん、内定辞退の伝え方や辞退理由、辞退を申し出た時期によっても変わってくる。入社後の活躍期待値が高いグループや、内定辞退されることはないだろうと思われるグループの学生からの内定辞退には、人事担当としてはショックが倍増である。ハラスメントに近い言動に出ることもありうるだろう。もちろん許されることではないが。

今回の作品は、金融系企業に内定辞退を伝えた際の企業側の対応を詠んだものだが、かつて、金融系企業の内定辞退対応に関して都市伝説になっている逸話がある。内定辞退を伝えに人事部を訪問した学生は、頭からコーヒー(かつ丼という説もある)をかけられ、クリーニング代だと2000円渡されたという。まだインターネットが普及する前、伝言ゲームのように広まった逸話であり、事実かどうかは不明のままだ。

優秀賞をもうひとつ。

お母さん 今は時代が 違うんだ (愛知県 チャンサンさん)

今の就活生の親世代は、1980年代半ばから90年代前半あたりに自身の就職活動を経験した世代が多い。バブル期だった人もいれば、バブル崩壊後に就職活動を経験した人もいる。ただし、どちらであろうといまの就職活動とまったく異なる点がいくつもある。

一番大きいのはインターネットである。当時、就職ナビなどまだなかった。就職ナビが初めて登場したのは1995年であるが、当時は通信環境がよくなかったから、普及するにはそれからさらに何年もかかっている。インターネットがないということは、企業のホームページもないということである。

企業情報は、電話帳のように分厚い就職情報誌か、はがきで請求して企業から送られてくるパンフレットで調べるしかない。上場企業であれば、『会社四季報』の情報もあったが、ほとんどの学生は見方がわからなかった。

メールもなければ、携帯電話も普及していない時代であるから、企業からの連絡はもっぱら郵便か、自宅の固定電話あてということになる。当時の人事担当者は大変だった。いくら電話しても学生本人になかなかつながらない。実家暮らしであれば親へ伝言もできるが、1人暮らしの場合には何度もかけ続けるしかない。今や対象学生への連絡は、ワンクリックでメールの一斉配信が可能である。

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