東京五輪で建設した競技場はその後どうなる? アスリートも都民も使える後利用が重要だ

東洋経済オンライン / 2019年8月14日 8時10分

東京2020オリンピック・パラリンピックまでもう1年を切っている。後ろはオリンピックスタジアム(撮影:鈴木紳平)

「開幕1年前にこれだけ準備をしている都市を今まで見たことがない。今から1年後に東京は新たな歴史を作ると思います」

国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、7月24日の東京2020オリンピック・パラリンピック(以下「五輪・パラ」)1年前準備状況報告会で太鼓判を押した。

同席した安倍晋三首相も「準備状況に関しては高い評価を受けている」と満面の笑顔を見せていた。

こうした関係者の言葉どおり、東京五輪・パラに向けたハード面の整備は順調に進んでいると言っていい。

■五輪のために建設された施設はどうなるのか

東京都が設計・施工を担い、新規に整備する競技会場(新規恒久施設)は6つだ。夢の島公園アーチェリー場、海の森水上競技場とカヌー・スラロームセンター(競技場部分)、大井ホッケー競技場の4つがほぼ完成。残すところは東京アクアティクスセンター、有明アリーナ2つだけとなった。

日本スポーツ振興センター(JSC)が運営主体となる新国立競技場(オリンピックスタジアム)もデザイン変更によって大幅に工事がズレ込んだが、今年11月の完成目前だ。バッハ会長の言うように、大会を迎える体制は確実に整いつつある。

五輪・パラ開催時の盛り上がりは間違いないだろうが、気になるのが施設の後利用だ。高額な建設費を投じて建設された会場が五輪・パラなどで華々しく使用されても、その後ほとんど使われなくなってしまったら問題である。

2017年4月に東京都が公表した「新規恒久施設の施設運営計画」を見ると、上記6施設のうち、有明アリーナは年間収支見込(試算)が3億5600万円のプラスとなっている。

だが、東京アクアティクスセンターで6億3800万円、海の森水上競技場で1億5800万円、カヌー・スラロームセンターで1億8600万円というマイナス収支(試算)が見込まれているのだ。

振り返れば、1998年長野冬季五輪・パラでもボブスレー・リュージュ・スケルトン会場だった長野市ボブスレー・リュージュパーク(愛称=スパイラル)が20年後の2017年末に製氷を断念し、事実上の休止に追い込まれたことがあっただけに、同じような事態に陥らないための努力と工夫が強く求められるのだ。

■リオ五輪・パラでは運営管理者問題が浮上

東京都オリンピック・パラリンピック準備局の鈴木研二開設準備担当部長は「少しでも稼働率を高め、収入を引き上げるべく、すべての施設に指定管理者制度を導入し、効率的な運営を考えていくことにしています」と言う。

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