有効率95%!「乗り物酔い防止メガネ」のすごさ シトロエンが発売した不思議なメガネの正体

東洋経済オンライン / 2019年8月19日 7時20分

プジョー・シトロエン・ジャポンが5月に日本で発売した乗り物酔いを防止するメガネ「シートロエン」(筆者撮影)

自動車会社が自分たちのブランドを衣服や鞄などのファッションアイテムに展開することはよくある。そんな中、フランスのシトロエンがちょっと変わったメガネをリリースした。

見るという意味の英単語(see)と自分たちのブランド名をかけ合わせて「シートロエン(SEETROËN)」と名付けたこのメガネ、ちょうど1年前の7月に欧州で発表されると公式ウェブサイトは2000万ビューを超え、1.5万個以上の販売実績を挙げるなど大きな話題となった。

日本ではシトロエンのインポーターであるプジョー・シトロエン・ジャポンが今年5月28日に発売。するとテレビやインターネットで話題となり、シトロエンのオンラインショップでは1分に1個のぺースで売れ、即日完売となってしまう。そこで7月、急遽航空便でフランスから追加輸入している。

インポーターではリラクゼーションメガネと呼んでいるこの商品の最大の特徴は、個性的なデザインではない。乗り物酔い防止という機能を備えていることだ。

■「空間識」が崩れると乗り物酔いに

乗り物酔いは、私たちが持っている「空間識」と呼ばれる機能と関係がある。自分が周囲に対してどのような位置に置かれているかを判断する機能で、視覚のほか、耳の奥の内耳にある三半規管が司る平衡感覚などで判断している。

乗り物に乗ると、揺れなどが原因で感覚などにズレが生じ、脳がそれを処理しきれなくなり、空間識が崩れる。すると自律神経が乱れ、頭痛、めまい、吐き気などの乗り物酔いの症状が起こるのだという。

こうした症状を防止するために、昔から酔い止め薬がある。脳にある嘔吐中枢という箇所の働きを抑える抗ヒスタミン薬、自律神経の混乱を抑える副交感神経遮断薬、中枢神経に働いて脳の感覚の混乱を抑える中枢神経興奮成分などの成分が含まれている。

ただし酔い止め薬は、かぜ薬や解熱鎮痛剤、鼻炎薬など、他の薬と併用すると副作用が出る可能性もあり、つねに服用できるわけではない。

一方のシートロエンは、南フランスのスタートアップ企業ボーディング・リング社が船員のために開発した特許取得済みの技術を採用したもので、乗り物酔い止め有効率は95%だという。

■メガネといってもレンズは入っていない

秘密はメガネのフレーム内部に着色された液体にある。これが顔の正面と左右で揺れることで水平線を再現し、視覚と三半規管の感覚のズレを抑える。三脚などに装着する水準器を円形にしてメガネに装着したような内容である。内耳の成長が終わった10歳以上の人であれば使用できる。

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