死傷者1100人超、仕事中の「熱中症」に労災は? 業種別に死傷者数を見ると建設業が最も多い

東洋経済オンライン / 2019年8月19日 8時30分

熱中症は労働災害に認定されるのでしょうか?(写真:EKAKI/PIXTA)

今年もまだ厳しい残暑が続くと言われていますが、猛暑で気になることといえば、熱中症ではないでしょうか。屋外で肉体労働をされている方はもちろん、出張や外回りの営業、イベント開催などさまざまな場面で熱中症になるリスクが潜んでいます。意外と知られていないのが、熱中症が労働災害に認定されるケースがあるということです。

厚生労働省の調査によると、職場での熱中症による死傷者数(死亡者と休業4日以上の業務上疾病者数を加えた数)は近年400~500人台で推移していましたが、2018年は1178人と過去10年間で最多に。死亡者も28人と前年比2倍に増加しました。

死傷者数を業種別に見ると、建設業がいちばん多く、次いで製造業、運輸業となっていますが、商業や警備業、その他の事業でも多く発生しています。

■熱中症で死亡するケースも

梅雨明けから全国で猛暑が続いており、熱中症の拡大が懸念されます。いったいどのようなケースが労災として認定され、いざというときに補償があるのでしょうか?

熱中症とは、高温多湿な環境下において、体内の水分と塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する障害の総称をいいます。具体的には、めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗、頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感、意識障害・痙攣・手足の運動障害、高体温などの症状が現れます。

たかが熱中症と思う人も少なくありませんが、重症化すると死に至ることもあり、労働現場では、適切な対策が必要です。熱中症対策で注目したいのが、WBGT値(Wet-Bulb Globe Temperature: 暑さ指数)。これは、気温に加え、湿度、風速、輻射(放射)熱を考慮した暑熱環境によるストレスの評価を行う暑さの指数です。厚生労働省が発表している労働災害による熱中症で死亡した人の状況をみると、WBGT値が基準値を超えていました。

屋内だからといって、決して甘くみてはいけません。熱中症のリスクを過小評価することなく、それぞれの職場において、WBGT値の測定などにより作業環境を把握したり、身体に大きな負担をかけないような作業指示を行ったりするなど対策が求められます。

■日ごろから健康管理を適切に実施していない例も

厚生労働省が発表している熱中症により死亡したケースでは、商業施設主催のイベント会場において、露店での飲食物の販売に伴う接客業務に従事していた20代(小売業)の労働者が片付け作業を行っていた際に意識を失い、救急搬送されたものの死亡した事案があります。また、試験会場周辺の道路において、違法駐車防止及び道案内のために警備業務に従事していた40代の労働者が倒れているところを通行人が発見。病院へ搬送されたものの死亡と診断されたケースもあります。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング