ドイツの輸出失速とユーロ圏経済の急悪化 「ユーロ圏の日本化」「ECBの日銀化」が定着

東洋経済オンライン / 2019年8月19日 8時20分

ドイツ経済が失速する中、奇しくもメルケル首相にも健康不安説が(写真:ロイター/Hannibal Hanschke)

金融市場にはリスクオフムードが充満している。アメリカの10年金利を2年金利が12年ぶりに下回って逆転(逆イールド化)したことが取りざたされているが、すでにその他の年限で断続的に見られてきた現象であり、新味はない。とはいえ、昨日はアメリカの30年金利が過去最低を更新したことも話題となっており、いよいよアメリカ国債金利のマイナス化を取り上げる議論まで見られ始めていることは捨て置けない兆候である。

なお、これほど株やアメリカの金利が下げている割にドル円相場が堅調なのは、リスクオフムードが強まる中にあってドル建て資産への需要が高いからなのだろう。ドルインデックスは高止まりしている。しかしながら、縮小する日米金利差に遅れを取る格好でドル安円高が進むことは過去にもあった。足元の日米金利差にビビッドに反応した円高が起きていないからと言って円高リスクを軽視するのは危うい。ラグを伴って金利差と整合的となってくる事態に備えたい。

■欧州発リスクオフとドイツ経済の落ち込み

足元のリスクオフムードの高まりに関しては欧州発という側面も大きそうだ。8月14日、ユーロスタットより公表されたユーロ圏4~6月期実質GDP成長率(改定値)は速報値と変わらない前期比プラス0.2%であったが、このタイミングで公表されたドイツの成長率が同マイナス0.1%と水面下に沈んだことが明らかになり、悲観ムードに拍車をかけた。

ドイツは昨年7~9月期にも前期比マイナス0.1%と14四半期ぶりのマイナス成長に落ち込んでおり、続く10~12月期はゼロ成長だった。過去4四半期の平均成長率もゼロであり、直近1年間のユーロ圏もこの動きに引きずられる格好で勢いを失っている。

なお、他国の状況も芳しいものではない。4~6月期にイタリアはゼロ成長、フランスも4四半期ぶりの低成長(前期比プラス0.2%)と冴えず、主要国が揃って精彩を欠いた。目下、ECB(欧州中央銀行)の追加利下げが期待されるのも当然だろう。ただし、ユーロ圏の失速は過去1年の話であり、にもかかわらず正常化プロセスに固執していた時期があったことが解せない。

こうした中、製造業のマインドは悲惨な状況に陥っており、製造業PMI(購買担当者景況指数:50を上回る状態が続くと景気拡大、50を下回る状態が続くと景気減速を示す)の動きなどを見ると、とりわけドイツの落ち込み方が苛烈である。こうした背景として「中国経済の減速に引きずられた輸出の落ち込み」が指摘されることが多い。

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