「メルカリとヤフオク」利用目的の決定的な違い 不用品を売るのは同じでも似て非なるもの

東洋経済オンライン / 2019年8月20日 7時0分

以下に、メルカリのシェアリングエコノミーがもたらした7つの重要な変化を指摘したいと思います。

① 「資産」の定義を変える

数年前、メルカリにトイレットペーパーの芯が販売され、話題になったことをご存じでしょうか。多くの人の目には「ただのゴミ」であるはずのものが売りに出され、しかも買い手がつく。メルカリ登場以前には考えられなかったことです。

種明かしをすると、トイレットペーパーの芯は「小学生の夏休みの工作の材料」として、お母さんたちが購入したものです。一見何の役にも立たないようなものに価値があると感じる人とつながるためのプラットフォーム。これも、メルカリが果たしている役割の1つです。トイレットペーパーの芯はこれまで、いわば「非資産」でした。しかしメルカリのプラットフォームが誕生したことで値段がつき、トイレットペーパーの芯は資産に変わった。資産の定義そのものが変化しています。

② 「価格の決定権」をシフトする

モノの値段は、それを製造したり販売したりする企業が決めているケースがほとんどです。消費者は店頭価格に従って商品を購入します。もちろん「高い、安い」といった感情は生じるにせよ、自分が価格決定に関われないからといって、そこに疑問を感じることはありませんでした。メルカリは、その価格の決定権を、消費者側にシフトさせる力を持っています。

というのも、メルカリの登場で「その商品にいくらの価値があるか」が瞬時にわかるようになったからです。メルカリには中古品だけでなく、未使用の新品も出品されています。そこには、消費者が「買ってもいい」と思う値段も、ダイレクトに表示されています。

③ 「評価方法」を変える

商品や在庫、不動産などの価値を算出するにあたっては、従来、将来見込まれるキャッシュフローを現在価値に換算する「ディスカウントキャシュフロー」や、貸借対照表の純資産額を用いる「純資産方式」などがありました。メルカリの登場は「メルカリならいくらで売れるか?」という考え方、つまり処分価格によって評価する手法を、一般的なものにしました。

④ 「買い物の仕方」を変える

新品を購入するにあたって、「メルカリで中古品の値段を確認してから買う」という消費行動が一般的になりました。

⑤ 「プロセルシューマー」を生み出す

「プロセルシューマー」というのは筆者の造語です。アメリカの未来学者アルビン・トフラーは、1980年に発表した『第三の波』(日本放送出版協会)で、生産者(プロデューサー)と消費者(コンシューマー)が融合する「プロシューマー」の出現を指摘しました。生産主体の企業に対して、個人が企業の生産企画に参画することで、新たな商品を生み出す消費者が生まれるというものでした。メルカリはこの「プロシューマー」を進化させようとしているように見えます。すなわち、自らモノを生産し自ら販売する消費者、プロセルシューマーへと進化を遂げているのです。

■「新しいもの」より「自分が欲しいもの」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング