「赤字はダサい」好きへのこだわりが成功を呼ぶ 内田和成×遠山正道「仕事の発想力を磨く」

東洋経済オンライン / 2019年8月21日 8時30分

内田:遠山さんはマーケットを見ないで事業を始めることがあるそうですが、普通の感覚では、失敗続きで累々たる屍が築かれそうです。そこは早く見切りをつけているのか、マーケットは見ないと言いつつ、それなりの計算をしながら事業化をしているのか、どちらでしょうか。

遠山:やはり好き嫌いだけではビジネスにならないので、「子供のまなざし」と「大人の都合」の両方が必要ですね。そのバランスがとても重要です。大人の都合の部分は放っておいても、教科書があったり、コンサルタントさん、銀行さん、先輩がいたりと、事欠かない。そこは何とかなるんです。だからこそ「子供のまなざし」を大事にしたいと思っています。

内田:普通であれば、そこは趣味の領域として土日だけやって、本業を倍にしたり、同じ業態を横展開したりすることに経営資源を使う経営者が多そうですが、遠山さんはそうではありません。そうされない理由はどこにあるのでしょうか。

遠山:私は言い出しっぺで、新しいことを始めるのが割と得意です。ただし、私がやるのは4割まで。残りの6割は日々のオペレーションですが、これがすごく大変なんです。そこを実際にやる人たちに任せると、私には口が出せなくなる。

スープストックトーキョーは分社化して社長がいるし、他のブランドも事業部長がいて、その事業は彼らのものです。自分の会社の経営会議でも、私は報告を聞くか、承認するか、賞賛するかだけ。ジャッジは全然していません。

内田:新しいことを作り出すことのほうが好きなので、そこに自分の全精力を注げるよう環境を整えているようにも聞こえますね。

遠山:それはあるかもしれません。私自身としては、趣味と言われるのはすごく嫌なんです。ちゃんと成立しないといけないし、赤字はダサい。赤字でいいなら、誰にでもできますから。

■0から1を生み出す

内田:なるほど。道楽は嫌なのですね。先日、私はイスラエルを訪問したのですが、現地の人によると、イスラエルは第2のシリコンバレーではない、という。

イスラエルは0を1にするのが大好きだが、シリコンバレーは1を10や100にするのが得意な場所だ。というのも、0を1にする場合、ほとんど金にならない。本当に新しいものを出すのが、自分たちの存在価値であり、シリコンバレーとの差別化になっているのだ、と。それを聞いて、なるほどと思いました。

遠山さんも0から1をつくるほうが好きで、それをやり続けたいタイプのようですね。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング