真夏の政争劇「埼玉県知事選」の奇々怪々 与野党一騎打ちでも盛り上がり欠く展開に

東洋経済オンライン / 2019年8月21日 10時0分

2022年7月に予定される次期参院選での埼玉選挙区は定数4だが、改選となるのは自民、公明の現職と10月の補選で当選する3人で、もう1議席を各党が争うことになる。ただ、自民は公明との選挙協力もあって、2人擁立には慎重で、補選では「あえて勝ちにはいかない」との見方が多い。新たに1人当選させれば、次期参院選で公認争いが起きるからだ。しかも、自民の改選組は参院議員会長になったばかりの関口昌一氏だ。

だからこそ、野党陣営は「上田氏が統一候補で出れば圧倒的に有利」と読む。上田氏は無所属での出馬が前提となるが、当選すれば立憲か国民への入党が見込まれる。こうした背景も、知事選の舞台裏での複雑怪奇な動きにつながっているとの見方が多い。

そもそも、埼玉県知事選は投票率が低いことで知られる。過去3回とも30%に届かず、2011年の24・89%は全国の知事選でワースト記録だ。このため、県選挙管理委員は今回、投票率アップを狙って「埼玉県民には…!投票に行かせておけ!!」を標語とする啓発ポスターを作製した。標語を叫んでいるのは今年映画が大ヒットした漫画『翔(と)んで埼玉』のキャラクターで、「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせておけ!」をもじったものだ。

大接戦といわれる選挙戦だが、国政選挙の基礎票から見れば自公が推す青島氏が有利だ。立憲幹部も「普通にやれば青島氏の勝ち」と肩をすくめる。大野氏勝利には多くの無党派層の掘り起しがカギで、そのためには投票率アップが必要だ。しかし、与野党の政治的思惑が交錯する現状では、選管の奇抜なアイデアも「空振りに終わる」(地元選挙関係者)との見方も広がっている。

泉 宏:政治ジャーナリスト

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