「スパイダーマン」巡るSONYとディズニーの確執 「アベンジャーズ」登場危ぶまれるスパイディ

東洋経済オンライン / 2019年8月23日 17時45分

スパイダーマンを巡るソニーとディズニーの対立とは?(写真:Jason Kempin/Getty Images)

モテすぎるのも、時には困りもの。『スパイダーマン』の主人公ピーター・パーカーは、今、そんな贅沢な悩みに真剣に頭を抱えているだろう。トム・ホランドの代になって以来、映画『スパイダーマン』はソニー・ピクチャーズとマーベル・スタジオズが協力して製作してきたのだが、両社の話し合いが決裂し、今後、マーベルは手を引くことになりそうだ。

となると、これから作られるマーベル映画にスパイダーマンはもう登場せず、また『スパイダーマン』の映画では、アイアンマンやニック・フューリーなどマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)について、一切触れなくなる可能性が高い。

もともと人気の高いキャラクターであるうえ、ホランドのスパイダーマンは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で初登場した時からMCUの話に深く絡んできたため、このニュースに、ファンたちは動揺を隠せないでいる。

だが、スパイダーマンを愛してやまないのは、ソニーもマーベルも同じことだ。だからこそ、こんな奪い合いドラマが起きてしまったのである。

■スパイダーマン巡る大手2社の対立

これまでホランドの代に始まった契約で、『スパイダーマン』映画の製作資本はソニーが完全出資し、マーベルを傘下に抱えるディズニーは、興行成績の5%を受け取っていた。ディズニー帝国にとっては、はした金だが、彼らにも、今後スパイダーマンを自分たちのユニバースに入れていけるというメリットがあった。また、関連商品の権利はマーベルが所有しており、映画がヒットすれば、おもちゃが売れる。何より、マーベルのトップ、ケヴィン・ファイギは、スパイダーマンが大好きなのだ。

しかし、想像以上にヒットしたことで(この夏の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、ソニーにとって史上最高の全世界興収を上げている)、マーベルはそれでは物足りなくなった。作品が評価されたのはファイギのおかげというのが明らかなだけに、余計にそう感じるのだ。

それでディズニーは、今後の『スパイダーマン』に自分たちも50%出資し、収益を折半したいと言い出し、ソニーは断った。その結果が、これなのである。

ソニーにしてみたら、長い間、手塩をかけて育ててきた大事な子供。今さら半分返せと言われても、そうしましょうとは言えないのである。

マーベルが独自のスタジオを立ち上げ、自分たちのコミックを自らの手で映画化するようになったのは、2008年のこと。それまでマーベル作品は、ライセンス契約のもと、違ったスタジオで映画化されていた。ソニーも、その形で『スパイダーマン』の映画化権を獲得し、2002年にサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演で製作された最初の作品を公開している。

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