「10代の望まない妊娠」をどうすれば防げるか 西アフリカ・トーゴ女性の取り組みに学ぶ

東洋経済オンライン / 2019年8月25日 7時20分

NGOトーゴ家族福祉協会(ATBEF)のアクティビスト/ピア・エデュケーターとして活動するシェリタさん(写真:IPPF提供)

羽田から飛行機で30時間、うち12時間はパリの空港ホテルで待機。とにかく遠い西アフリカ・トーゴだが、目の前の女性はとても身近に思えることを話すのだった。

この女性はシェリタさん(25歳)。国内の大学英文科を卒業した後、NGOトーゴ家族福祉協会(ATBEF)のアクティビスト/ピア・エデュケーターとしてボランティアで活動している。

■ピア・エデュケーターとは?

役割は同世代向けに“性と生殖に関する健康と権利”の教育をすること。英語ではSexual and Reproductive Health and Rights(SRHR)と呼ばれる。高校や大学を訪問してコンドームの使い方を教え、漫画を活用して啓蒙する。

彼女が訪れたトーゴ中部にあるソトゥブアという街に2つある中高一貫校(10~19歳が在籍)では、2年間に128人の女生徒が妊娠していた。その街では8~12歳の小学生の妊娠も珍しくないそうだ。

「学校できちんと性教育をしないから、妊娠して中退する女子学生が少なくない」とシェリタさんは言う。住民の多くはイスラム教徒だ。「保守的な土地柄だからセックスや避妊について話しづらい雰囲気がある。そういう地域ほど、10代の妊娠が多くなりがち」。

サハラ砂漠より南のアフリカでは、10代の妊娠や早すぎる結婚が大きな社会問題だ。子どもが出来る仕組みを知らないまま、若年でセックスして妊娠してしまう。どうしたらいいかわからず、女の子が退学し出産する事例は数えきれない。

「首都に住む女性は知識がありますが、多くの若年妊娠は農村部で起きています」。話を聞くうち、日本でも似たようなことがあるのを思い出した。

かつて、学校での性教育に反対する政治家と話をしたことがある。中学校における性教育に抗議したこともある人物で、男女平等政策に関わる行政関係者はこの人に批判されるのではないか、及び腰だった。

実際には日本国内にも10代の妊娠が少なくない地域が存在する。教育が必要なのに、古い考えのリーダーがそれを阻む。日本も課題が大きい分野だから、シェリタさんの話にうなずくところが多かった。

SRHRは男女平等政策の中でもとくに重要なテーマの1つだ。望まないセックスや妊娠をしない権利が女性の基本的人権であることは、国際的によく知られている。日本でも最近、「性的同意」について関心が高まっている。いつ、誰とセックスするのか、本人の同意が大事という考え方だ。たとえ付き合っているカップルであっても「今日はしたくない」ということはありうる。また「ノー」を言っているのに無理強いするのは当然いけない。

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