「野球少年」減少に映るプロ存続の危うい未来 何が日本の野球界の成長を阻害しているのか

東洋経済オンライン / 2019年8月26日 7時20分

少年野球離れが進んでいて、このままではプロ野球自体も存続が危ぶまれると警鐘を鳴らす理由とは?(写真:m.Taira/PIXTA)

今、全国で急速に「野球少年」が消えているそうだ。「理由は少子化だけではない」と言うのが野球の問題点を指摘する中島大輔氏だ。プロとアマがいがみ合い、統一した意思の存在しない野球界の構造問題が無視できなくなっていると指摘する。同氏の著書『野球消滅』を一部抜粋し再構成のうえ、野球界の問題について考察します。

なぜ、セ・リーグとパ・リーグは手を取り合い、「プロ野球」として1つになってリーグビジネスを本格的に行わないのか。なぜ、野球界には川淵三郎のような絶対的なリーダーが存在しないのか。

侍ジャパンがプロから社会人、大学生、高校生、中学生、小学生、女子まで全世代にチームを持ち、日の丸をつけて戦っている目的は何か。プロ野球とアマチュア野球を隔てる「プロアマの壁」は、今は取り除かれたのだろうか――。

■劇的に開いたNPBとMLBの差

1934年に誕生したプロ野球は近年、観客動員数が右肩上がりに伸び、2018年には史上最多の2555万0719人がスタジアムに詰めかけた。2018年夏に100回大会を開催した高校野球では、甲子園球場に連日大勢のファンが押し寄せ、総入場者は史上最多の101万5000人を記録した。

現在、プロ野球や高校野球が開催される球場は、かつてないほどの盛況を呈している。一方、日本で100年以上続く野球界の構造は、ほとんど世間に知られていないように感じる。例えば、冒頭に記した問いについて、答えられる人はどれほどいるだろうか。野球界の複雑怪奇な構造は、とりわけ近年、その成長を阻害しているように思う。

1995年時点で日本のプロ野球=NPBと、アメリカのメジャーリーグ=MLBはともに1400億円と同程度の収益だったものの、2018年時点はNPBが1800億円ほどなのに対し、MLBは1兆円を超える。MLBの成長要因はリーグビジネスに本腰を入れたことだが、NPBが同様の取り組みを始める気配はまったく見えない。

元サッカー日本代表の川淵三郎氏という絶対的なリーダーが、JリーグやBリーグの発足に尽力した一方、野球界では、NPBのコミッショナーも日本高等学校野球連盟の会長も極端に存在感が薄い。クライマックスシリーズから2位、3位のチームが日本シリーズに勝ち進むたび、制度のあり方が疑問視されるが、NPBのコミッショナーは何の意見も表明しない。

真夏の試合で熱中症を憂慮する声に対し、日本サッカー協会が大会/試合スケジュールの規制を行っていることと比べると、高野連の対策は大きく見劣りする。「プロアマの壁は取り払われた」という関係者やメディアは決して少なくないが、野球ファンは本当にそうだと感じているだろうか。

■少子化を上回るスピードで消える「野球少年」

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