蓮田と佐野、夏に注目集めた「東北道SA」の明暗 リニューアルオープンの一方、突然の休業

東洋経済オンライン / 2019年9月1日 8時30分

東北自動車道佐野サービスエリア上り線で営業を再開した売店(写真:共同通信)

夏の観光シーズンはお盆の帰省による“民族大移動”もあって、渋滞に関するニュースや報道が多かったが、この夏はそれとは違った意味で、高速道の2つのサービスエリアが注目された。

筆者は、その2つの話題を取り上げた情報番組に、ゲストコメンテーターとして出演し、その背景などを解説する機会を得た。高速道路の利用者にとって「光」と「陰」、対照的な話題を提供した2つのサービスエリアについて、番組での内容を簡単にこの連載で再現したい。

■蓮田SAに精肉や鮮魚の売り場

1つ目のサービスエリアの話題は7月29日に、東北自動車道の蓮田サービスエリア(上り線)が移設・リニューアルされて再オープンしたニュースである。

蓮田SAは、東北道で最も東京寄りの休憩施設で、利用客が多いにもかかわらず手狭で混雑が日常化していた。そこで、現在地より2キロほど東京寄りにこれまでの施設をはるかに上回る規模のサービスエリアを移設、それが夏の観光シーズンに入ったばかりの7月末に開業したのである。

このサービスエリアの特色は、駐車場やトイレが格段に拡充されたことだけでなく、日本のSA・PAではほぼ初めてといってもよい、精肉や鮮魚の販売コーナーが設けられたことである。番組でこのコーナーを生中継していたリポーターが、まるでデパ地下に来たようだと形容したとおり、売り場の広さや品ぞろえの豊かさは、ここがサービスエリアであることを忘れさせてくれるグレードである。

東京に向かう各高速道路の上りの休憩施設は、買い忘れたお土産を買ったり、当日の夕飯や翌日以降のための買い物をしようという利用客のために、物販の充実が求められる。

東名・海老名サービスエリアの上り線に出店しているスーパーマーケット成城石井が毎夕にぎわっているのを見てもわかるとおり食料品の需要は高いが、ついに鮮魚や精肉まで買えるようになったことで、上りの休憩施設がレジャーや帰省の非日常から日常の生活へ戻る、ある種の通過ゲートのような役割を担えることがくっきりと示されたと言えよう。

また、蓮田SAは首都圏直下地震が起きた際の防災拠点としても明確に位置づけられており、救援車両の駐車スペースや各種防災関連の備品の倉庫の充実、井戸水の確保、ヘリポートの設置といったさまざまな機能が備えられた。

ここがフル稼働するような災害は願い下げだが、東日本大震災で東北道が被災地への物資や支援の人材を送る重要なパイプとなったことを思い起こせば、高速道路が災害時には「命の動脈」としての機能を担うのは当然ともいえる。こうしたことも含め、利用者にとっては大幅にスペースもサービスもグレードアップした新生蓮田SAの開業は、喜ばしいニュースであった。

■前代未聞!SAのレストランや売店の閉鎖

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