日経平均株価がもう一段上昇するための「条件」 上昇相場は「売り方の買い戻し」から始まる

東洋経済オンライン / 2019年9月9日 8時0分

11日に実施する内閣改造を機に、安倍首相は新たな政策を打って来るのだろうか(撮影:尾形文繁)

最近はすっかり海外要因のみでしか動かなくなった日本株。「値段は(朝の)寄り付き1本だけでいいよ」などといった「自虐話」が市場関係者から聞かれる。確かに、朝に海外要因を織り込んだ後は超閑散を続ける日本市場を表した、よくできた話かもしれない。

■微妙な材料で一気に動いた相場

実際、9月相場は、2日と3日の東証1部売買代金は1兆3000億円台と、5年4カ月ぶりの低水準だった。9月4日も1兆6000億円弱とほとんど変わらず、いかに外部要因のみで成り立っている日本市場であるかを証明した。

しかし、これこそが究極の「陰の極」だったのかもしれない。翌5日(木)、市場は「米中貿易協議10月に延期」という一見悪材料ともとれる報道で一気に動いた。「爆発的踏み上げ相場」に突入したのだ。買い方が待ちに待った相場だ。

そもそも、アメリカは予定通り9月1日、中国への制裁関税第4弾を発動した。中国も同時に報復措置とWTO(世界貿易機関)提訴を発表した。ただ、9月中に行われる米中貿易協議が不透明になったが、中止が正式に決まったわけではなかった。確かに10月再開催は微妙な材料で、悪材料的表現の報道もあったほどだ。だが、結局は、これが明確な買い戻しの材料になったことは、当日のドル円1分足チャートにもはっきり表れている。

日経平均株価は8月の急落により、200日移動平均線を75日移動平均線が、その75日移動平均線をより短期の25日移動平均線が上から下へデッドクロスし、極めて明確な売りシグナルが出ていた。

その結果、先物の売りを浴び、先物安の中で裁定取引売り残(先物買い現物売り)が積み上がり、ネット買い残(買い残-売り残)が異常な事態となった。8月30日現在でのマイナス1兆4498憶円(買い4886億円、売り1兆9384億円)は過去最低だ。

前回のコラム「ダウ623ドル安後の日経平均はどうなるのか?」でも書いたが、株式投資は企業にかける「賭け事」である。ただし、一般的に賭け事は、賭けたら結果を待つだけの1段階の行為だが、株は買ったら売る、または売ったら買い戻すという2段階の行為で成り立っており、勝つか負けるかの結果は、2段階目についてくる。

1段階目で買い多数なら、2段階目は反対売買で売りが多数になり、1段階目で売りが多数なら2段階目は反対売買の買いが多数になる。つまり、1段回目(仕掛け時)の「少数意見が勝つ」ということになる。しかし、現実は強弱対立するのが一般的で、明確な少数意見はなかなか現れないものだ。今回はその現れにくい少数意見が上述のごとく、一方的に表れていたのだ。

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