一風堂「3400円ラーメン」が成立したカラクリ 「高級ホテル」「外国人」「演出」で見た新境地

東洋経済オンライン / 2019年9月12日 18時0分

1杯3400円もする高級ラーメンは、なぜ人気なのだろうか?(筆者撮影)

ラーメン1杯食べれば、1食分のお腹は満たされる。しかも手頃な価格で――。

ラーメン専門店にせよ、中華料理店にせよ、お店で食べるラーメンとはそんな位置づけのメニューだろう。総務省統計局の経済センサスによると日本全国には約1万8000軒のラーメン店、約1万4000軒の中華料理店があり、これらのお店で1日に消費されるラーメンは計り知れない数だ。

一方、ラーメンには「1杯1000円の壁」があると言われている。どんなにおいしくとも、どんなに高級食材を使っていても、ラーメン1杯の価格が1000円を超えると食べ手は心理的に「さすがに高い」と感じてしまう。多くのラーメン店は原価や人件費などを鑑みながら、1000円以内の価格を守っている。

そんな「外で食べるラーメン」の常識を突き破る出来事が、東京のど真ん中で起こっている。JR有楽町駅から徒歩3分、地下鉄・日比谷駅から徒歩2分に立地する外資系の高級ホテル、ザ・ペニンシュラ東京(東京都千代田区)が、1杯3400円のラーメンを売り出したのだ。

■高級ホテルが一風堂とコラボ

今年7月下旬からルームサービスとして提供をスタートしたメニューで、1日に6~8食程度注文されるという。1日6〜8食というと少なく聞こえるかもしれないが、うどんやそばで同1〜2食程度ということを考えれば、ルームサービスのメニューとしては比較的人気が高いと言っていい。

この破格ともいえるラーメンを提供しているのは、「博多一風堂」だ。豚骨特有の臭みを抑えながらも濃厚でうま味の強いスープと、自家製麺を特徴とする博多豚骨ラーメンをウリにするラーメン店チェーンである。木製の看板と手染めののれん、木調の内装や店内にBGMとして流れるジャズなど、女性にも入りやすい雰囲気の店づくりにも定評がある。日清食品との共同開発によるカップ麺もコンビニなどで市販されており、その名前を見聞きしたことのある人は多いだろう。

ザ・ペニンシュラ東京が今回のコラボ先に一風堂を選んだのはなぜか。1杯3400円の価値はどこにあるというのか。

ザ・ペニンシュラ東京はザ・ペニンシュラホテルズの8番目のホテルとして2007年に開業し、“その土地の文化を取り入れる”というコンセプトをもとに、日本に根ざしたホテルとして運営してきた。特徴は宿泊客の7~8割が外国人だということ。一般観光客からVIPまで多くが訪れている。

開業以来、宿泊客からのコンシェルジュに寄せられる問い合わせで非常に多かったのが「近くにあるおいしいラーメン屋を教えてほしい」という質問だったという。ザ・ペニンシュラ東京は、海外顧客からも日本の代表食として愛されるラーメンをホテル内でも提供したいと昨年より準備を進めてきた。

■海外では豚骨スープが人気

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