NYの「意識高い中華料理店」が大炎上したワケ 意識せず使った英単語が爆弾になった

東洋経済オンライン / 2019年9月13日 7時50分

今年4月にニューヨークにオープンしたばかりの中華料理店。ニューヨーカーが大好きな「ヘルシー」を掲げたにもかかわらず、新聞沙汰になるほど大炎上した理由とは(写真:JJFarauitectos/iStock)

日本では来年、東京オリンピックとパラリンピックが開催され、2025年には、大阪万博の開催が決定している。訪日観光客の数は年々増えており、この傾向はこの先もしばらくは続く見込みだ。

だが、本当の意味で外国人を取り込みたいのであれば、性別や人種などの偏見・差別を防ぐために政治・社会的に公平な言葉や表現に配慮する「ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)」は知っておいたほうがよい要素だ。日本人にはOKでも、外国人にはNGといったあれこれを検証する本連載。今回は外国で実際にあった「ポリコレに無頓着だったゆえに炎上した騒動」を取り上げたい。

■意識の高い中華料理店が“炎上”

今年4月、アメリカ・ニューヨークのある中華料理店で“炎上事件”が起こった。炎上と言っても店が燃えたわけではなく、オープンしたての中華料理店がインスタグラムにアップした広告がメラメラと燃えてしまったのである。

炎上の対象となってしまったのは、健康意識の高い白人女性のハスペルさんが開いた中華料理店「Lucky Lee’s(ラッキーリーズ)」。一般的にアメリカの中華料理には「脂っこくて味が濃く、カロリーが高い」というステレオタイプなイメージがあるが、健康的な食事法をコーチする資格も取得しているハスペルさんは、メニューの内容と構成に工夫を加えた。

オーソドックスな中華料理とは異なり、チキンは油で揚げずにオーブンで焼くことでカロリーを下げ、チャーハンもコメの代わりにアメリカではやりのカリフラワーを使用。グルテンフリーでオーガニック、小麦やピーナツを使用しないなど、この店ならでは魅力をブログやSNSで精力的に発信した。

「オーガニック食材を使ったローカロリーな中華料理のテイクアウト専門店」というターゲティングは明確であり、そこに注力したマーケティングも間違いではなかったはずだった。ところが、ほんの数行の宣伝文句がSNSで炎上してしまったのである。

アメリカの一部の健康意識の高い人たちの間では、食材はオーガニックだけを選び、キャノーラ油の代わりにオリーブ油を使用することなどを「クリーン・イーティング(clean eating)」と呼ぶトレンドがある。

ここで言う「クリーン」とは、添加物を体内に取り込まないという意味での「クリーン(清潔、汚れのない)」なのだが、この斬新な中華料理店のオーナーはその説明をせずに、伝統的な中華料理に比べて、自分の店や料理は「クリーンだ」とブログに書いた。

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