日本人が残念なほどお金を「わかってない」事情 投資を前提とした時代遅れのマネー教育

東洋経済オンライン / 2019年9月19日 7時50分

学校のみならず、家庭でも例えば、「自分がやりたい職業の年収はいくらなのか」「どんな働き方をしたいのか」「どこに住むのか」「結婚するのか」「子どもは欲しいか」「いつまで働くか」「老後はどういう生活を望むのか」「長い人生で何をしたいか」といったことを、子どもが考える機会を持つことは必要である。

そのうえで、自分が希望する人生にはどれくらいお金がかかるのかや、どれくらい過不足があるのか、というのは電卓さえあれば簡単に導き出せるはずだ。

これらを時系列で考えるのがライフプラン設計である。この結果、もっと稼ぐ必要性があるのかどうか、子どもは何人まで育てられそうか、家は購入するか賃貸にするか、買うなら予算はいくらにすべきか、老後にはいくら必要か、などが見えてくる。

■お金を得る方法は投資だけではない

ここまで来てようやく、お金が足りないなら投資を1つの選択肢として加えることになる。もちろん、投資だけが選択肢ではない。お金を得るには一生働き続ける、ダブルインカムなど世帯における働き手を増やす、玉の輿にのる……といった方法がある。

日本FP教育では、パーソナルファイナンス教育インストラクターが出張授業を行う、講師派遣事業を展開している。同団体のHPによると、選ばれるテーマの1位は、「ライフプランとお金」。その内容は上記に挙げたような、夢や目標からライフプランを考える、ライフイベントとお金について学ぶ、ライフプランシミュレーション(キャッシュフロー表の作成)といったものだ。

2位は「お金を稼ぐ(働く)」で、職業選択、雇用形態、進学と生涯賃金比較である。「お金を使う」というテーマもあり、ニーズとウォンツ、意思決定について授業が実施されることも多いようだ。

内容的には筆者が挙げたものに近く、テキスト1冊を1年かけて実施し試験を課せば、それなりの効果が出てくると思われる。しかし、実際は在学3年間中1回、1、2時間程度しかこうした授業は行わないため、その効果は薄いと言わざるをえない。

今の小中高校生が大人になるころには、今のマネー的な常識がまったく通用しない世界が広がっている可能性がある。学校においては投資を目的とした教育ではなく、それぞれの生徒が自らのライフプランを描き、そのうえでお金とうまく付き合っていく方法を教えるマネー教育が必要なのではないだろうか。

高橋 成壽:ファイナンシャルプランナー

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