auとソフトバンク「新販売手法」の手痛い代償 新ルールの盲点突く顧客囲い込みが逆効果

東洋経済オンライン / 2019年9月20日 8時0分

新販売手法を発表するソフトバンクの榛葉淳副社長。SIMロック縛りを活用して値引き上限2万円の規制をうまくかわす狙いだった(記者撮影)

電気通信事業法の改正や関連の省令改正で携帯の端末販売や通信契約のルールが厳しくなることに伴い、KDDI(au)とソフトバンクが9月中旬、規制を巧みにかわす新たな販売手法を相次いで発表した。

だが、これが新ルールの抜け穴を突いたものだと強い批判を呼んでおり、すぐさまその穴はふさがれる見通しだ。総務省の怒りを買った結果、両社は大きな代償を払うことになるかもしれない。

■新販売手法で囲い込み規制を巧みに回避

両社の新たな販売手法はほぼ同一で、端末を毎月48回の分割払いとし、2年後以降に端末を返却して新機種に買い替えれば、最大24回分の端末代金の残債を免除するというプログラムだ。通信契約は義務化しておらず、他の携帯電話事業者のユーザーでも利用できる。なお、毎月390円(非課税)のプログラム料金が別途かかる。

これは従来のプログラムを変更したものだ。それまでは、端末の購入から2年後以降に返却して残債免除を受けるためには、通信の2年契約の加入と更新も必須条件にしており、「過度な囲い込みだ」として問題視されていた。

総務省は、このような販売手法や、「端末0円」などの過激な値引きによる通信契約の獲得競争を防ぐため、法改正や省令改正で10月1日から通信契約を伴う端末値引きの上限を2万円に規制する。端末を大幅に値引く原資に通信料金を上乗せされ、通信料金の高止まりを招くからだ。

両社の新しい販売手法はこの規制をくぐり抜けるためのもので、通信契約を伴わないため、上限2万円の規制を受けずに値引きできるというわけだ。

両社は表向きには「他社の利用者にも使ってもらえる」と説明する。だが、この新販売手法は裏があり、実際には通信契約を結んでいないと大幅値引きの恩恵を受けづらいように設計されている。対象となるすべてのスマホには、最初の100日間は販売したキャリアと通信契約を結んでいなければ使えない「SIMロック」をかけているのだ。

つまり、大幅値引きを受けられ、かつ購入日からすぐに使えるのは、その端末を販売するキャリアと通信契約を結ぶユーザーだけ。他社と通信契約を結ぶユーザーは100日間も待ってSIMロックを解除してもらわなければ、端末を使えないようになっている。これでは実質的に、端末の大幅値引きと通信契約をひも付けているのも同然だ。

■SIMロックの悪用防止に総務省が動く

両社の手法は新規制の盲点で、法律や省令自体には直接は抵触しない。そのため、9月12日の発表会でKDDIの東海林崇専務は、「今の決まりなら法令違反ではないし、むしろ、ルールにのっとった形だと思っている」と主張した。

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