女性2人が体験した、本当に怖い「相続の失敗」 日本で一番相続を扱う事務所が教える

東洋経済オンライン / 2019年9月22日 10時0分

せっかくご自身の思いを伝え、残された相続人が揉めずにスムーズに相続してくれることを祈って遺言をしたためたのに、遺言執行者を決めておかなかったばかりに、相続人に余計な心労を与えてしまったのがこのケースです。「争族」を避けるために、細部まで気を抜かないことが重要です。

■贈与税なしでもらったお金も相続時に精算!?

今度は贈与税で失敗したB子さんのケースです。

B子さんは父親から相続対策にと、毎年110万円の現金の贈与を受けてきました。1暦年に110万円までであれば、贈与税はかからないからです。

あるとき、起業することにしたB子さんは、まとまった金額を贈与してもらうこととなりました。インターネットで調べたところ、「相続時精算課税制度」という制度を選択すれば、2500万円まで贈与税がかからないことを知り、父にはその年2500万円を贈与してもらい、税務署への届出や申告は自分で済ませました。本当に贈与税は0で済み、ほっとしたといいます。

翌年からは、金額を年間110万円に戻し、現金の贈与を受け続けて10年後、父が亡くなりました。

ところが……、父の相続税申告を済ませて数カ月後、税務署から突然の連絡が。「相続時精算課税制度による贈与財産」2500万円が申告から漏れているというのです。

さらには相続時精算課税制度を選択して以降、受け取った110万円×10年分=1100万円についても、相続税申告に追加計上しなければならないうえ、贈与税の期限後申告まですることとなり、延滞税や加算税も含め、多額の納税が必要に。きちんと調べて、適切な手続きをしてきたと思ってきたB子さんは、驚いてしまいました。

B子さんはいったいどうすればよかったのでしょうか。

相続時精算課税制度(以下「本制度」)とは、その名のとおり、「相続」のときに「精算」する制度です。筆者が見る限り、「2500万円まで非課税」という数字だけが1人歩きをして、制度を理解しないまま使ってしまう方が多いようです。

ここで理解すべきポイントは、本制度を使って生前に贈与された財産はすべて、相続時に相続財産に加え直して相続税の対象となる、という点です。

■本制度の絶対に知っておきたいポイント

このケースでいうと、本制度を選択して以降もらった財産すべて、つまり、2500万円+1100万円=3600万円を、相続発生時点の父の財産にプラスして、相続税が計算されるということになります(納付した贈与税がある場合は相続税から控除できます)。

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