大阪「なにわ筋線」、ついに始動した大事業 総事業費3300億円、関空―新大阪間が便利に

東洋経済オンライン / 2019年9月24日 17時0分

大阪ステーションシティ屋上から見渡す「うめきた」の第2期開発地。手前では北梅田駅(仮称)の設置工事が開削工法で行われている(撮影:松本洋一)

鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2019年11月号「うごきはじめたなにわ筋線プロジェクト」を再構成した記事を掲載します。

大阪中心部を南北に貫き難波と梅田を結ぶ新たな鉄道路線である「なにわ筋線」についての鉄道事業許可が今年2019年7月に下りた。いくたびか話題になっては影を潜めていた事業がいよいよ動き出すことになったのである。これにより関西国際空港と新大阪が都心経由で1本に結ばれ JR西日本の特急「はるか」や南海電鉄「ラピート」が走ると考えられる。その計画のこれまでの経緯と全体像を明らかにしたい。

■関西だけでなく西日本全体に効果

JR西日本は、「“はるか”が関西空港から“素通り”していた大阪駅を経由して新大阪と結べることになり、都心部と広域双方のネットワークの輸送品質が上がる。余裕ができる大阪環状線の新たな活用策も考えられる」という。

南海電鉄は「難波に軸足を置いてゆくことに変わりはないが、梅田や新大阪に開けることにより、これまで乗り換えが必要だった沿線に容易に来ていただける。梅田や新大阪方面にお勤めの方も、南海沿線に住んでいただけるようになる」とし、大阪市は、「関空・新大阪と大阪都心部のアクセスが強化され、“うめきた”や中之島はじめ都市開発に効果を発揮する。関西の中枢都市としての持続的な発展のために必要」と語る。

そして関西経済の発展を目的とする団体である関西経済連合会からも「リニアや北陸新幹線の大阪延伸を強く求めてきた中で、その結節点である新大阪と関空が結ばれることで関西のみならず西日本全域に効果が期待できる」と聞いた。

それぞれ立ち位置で異なるさまざまな思いがパズルのように合わさった結果、これまで長く具体化しなかったなにわ筋線を実現へと向かわせたようである。

2019年7月10日に国土交通大臣から鉄道事業許可状が交付された「なにわ筋線」は、梅田貨物線に新設される北梅田駅とJR難波および南海電鉄南海本線新今宮を結ぶ。

「キタ」と呼ばれる大阪駅・梅田界隈と「ミナミ」と呼ばれる難波を串刺しにして、大阪都心部を縦貫する都市鉄道であり、既存のJR線や南海線と接続、直通運転を行うことにより鉄道ネットワークの強化、関西国際空港や新幹線新大阪駅へのアクセス改善・高速化、関空―新大阪間の軸の形成、沿線の拠点開発促進、さらに広域の大阪府内南北の交流促進、京都・神戸・奈良への観光地アクセス改善、ひいては関西の都市間競争力・国際競争力の強化等の意義が見いだされ、具体的な検討が行われた。

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