日経平均は「大相場への初期段階」の兆候がある 上がっているのに市場は盛り上がっていない

東洋経済オンライン / 2019年9月24日 10時30分

秋も知らないうちに深まってくるもの。株価も、もっと上がらないと変化がわからないのかもしれない(写真:Milco/PIXTA)

日経平均株価は9月17日までの10連騰で1400円近く上げ、一気に2万2000円台に乗せた。空売りファンドの買い戻しのためであることは明らかで、買い方(強気派)にとっては「待ちに待った相場反転」となっている。

■株が上がっても弱気な「買い方」と腹をくくる「売り方」

しかし、投資家サイドを取材すると、意外な現場の姿が浮かび上がる。空売り筋はすでに仕掛けてしまったため、「戦うしかない」と腹をくくったのか、腰を据えて相場に向かっているように見える。

もちろん日経平均2万円割れをメドに売り込んだ「勇み足ファンド」はギブアップ(これが1400円上げのエンジン)状態と推測される。それでも、現段階でもファンド筋だけでなく個人投資家にも圧倒的に弱気が多いのには驚く。

4月の年初来高値更新を目前にして、弱気派の腰が据わり、逆に強気派が神経質に、買ってはすぐに売っているのだ。確かにこの期に及んでも弱気の理由は圧倒的に多い。確かに、数えて見ればそうした理由はきりがないほどで、世界情勢の不透明感は何も変わっていない。米中対立解決の糸口はなお見えず、欧州政治不安は続き、英ブレグジット問題もこじれたままだ。

日本の8月の貿易統計では中国向け輸出が12%も減り、国家統計局の製造業PMIも好不調の分かれ目50を4カ月連続で下回り、中国経済はまさに底割れの状態を示している。アメリカの景気も不透明で、8月のISM製造業景況感指数は50を割れた。

その影響を受けた日本企業の業績は、前半の大幅減益は勿論のこと、後半回復の兆しも見えない。援軍を期待した9月の日銀金融政策決定会合は「ゼロ回答」で、政策の限界を示している。

とにかく、今月の連騰で「騰落レシオ」をはじめ、テクニカル指標のほとんどは「過熱」のサインが出ている。だが、今の相場の本質は、前述のように売り方の「ファイティングポーズ」が衰えない理由が多いため、結果的に「売り買いのバランスの異常」が続いている、ということではないか。

その代表的な事象がいわゆる「裁定取引ネット買い残」にあらわれている。9月6日のマイナス1兆6945億円(買い残3721憶円、売り残2兆0666億円)の過去最低水準から、13日には同マイナス1兆5981億円(買い残3348憶円、売り残1兆9329億円)と、僅か1000憶円ほど減ったに過ぎない。

金額ベースで明らかになっているのはこの日までだが、公開されている「株数ベース」でその後を見ると、13日の売り残の、買い残に対する倍率は5.00倍(売り7億9304万株、買い1億5873万株)。また18日のそれは4.68倍(売り7億6293万株、買い1億6287万株)と、さすがに減少してはいるが、やはりまだわずかだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング