自然災害後の住宅復旧がなかなか進まない事情 住宅の屋根補修にかなり時間が必要な理由

東洋経済オンライン / 2019年9月28日 8時20分

先日、首都圏を襲った台風15号のような大災害はこれからも起こりうる。今後、どのような備えをしたらよいのだろうか。写真は千葉県鋸南町にて(写真:共同通信)

9月8~9日にかけて、首都圏を襲った台風15号。消防庁のまとめによると住宅被害は全体で2万棟超になっている。停電も長く続いている。なかでも、千葉県では9日午前8時のピーク時に約64万軒におよび、ほぼすべてが解消するまで長く時間がかかった。

千葉県市原市にあるAさんのご自宅では3日間ほど停電し、体力的にも精神的にも厳しい生活を強いられた。台風通過後の数日は気温、湿度とも上昇し、過ごしづらい日々が続いたからだ。食料や飲み水、入浴、移動手段の確保にも苦労したという。

■法外な額でブルーシート販売

千葉県では27日時点で、1万8671棟の住宅被害が確認され、このうち全壊が114棟、半壊は1371棟となっている。被害の多くは屋根の損傷のようだ。館山市にあるBさん宅では屋根の一部が吹き飛ばされ、室内が滝のような状態になったそうだ。

屋根の一部が損傷した住宅などについては、自治体や自衛隊、住宅事業者などの関係者、そして住民自らが屋根に登り、ブルーシートを掛けるなどして応急処置を施している状況だ。

このような規模の大きい災害の後には、ブルーシートを法外な値段で販売したり、リフォーム業者を装ったりする不届き者もいる。今回もそうした情報がSNSなどで広がっており、自治体や警察などが注意を呼びかけている。

本稿がアップされた今も、断水を含めた不自由な暮らしの中、復旧への動きが続いている地域もある。この場を借りて、被災生活を経験された方、何より今も苦労されている方にお見舞いを申し上げたい。

住宅被害の完全な復旧には時間がかかりそうだ。地震と台風という違いはあるものの、2018年6月に発生した大阪北部地震の状況をみると完全復旧への困難さがうかがえる。JR京都駅から新大阪駅方面に向かう新幹線に乗車していると、いまだに所々に屋根の上にブルーシートを掛けられた住宅が見られる。

これは、地震発生から1年以上が経過した今でも、屋根の補修が済んでいない住宅が残っているためである。近畿圏にお住まいの方や、東京・大阪間の移動が多い方の中には実際にご覧になった方もいるだろう。

大阪府防災・危機管理指令部のまとめ(2018年11月2日付)によると、同地震の住宅被害は全壊18棟、半壊512棟、一部損壊5万5081棟となっている。このうち、屋根の損傷が一部損壊の中でどのくらいを占めるか、そして未補修の住宅がどのくらいあるか不明だが、相当数であることは違いない。

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