BMWと日産の「手放し運転」は何がどう違うのか 自動運転技術の進化に対する期待と課題

東洋経済オンライン / 2019年10月1日 7時0分

BMWの新型8シリーズに搭載されたハンズオフ機能(筆者撮影)

ハンドルのボタンを押し、手を放すとハンドルが勝手に回り始める。記者が前方から長時間視線をそらし続けると「ピーッ」と警告音が鳴った。

この夏、BMWは国内初となる手放し運転が可能となるハンズオフ機能をリリースした。高価格帯の新型8シリーズや新型X7シリーズのほか、同社では量販車種と位置づける新型3シリーズでも夏以降生産分には標準装備される。

実際にハンズオフ機能の搭載車種に乗ってみると、高速道路での渋滞時に、ブレーキやアクセル、さらにハンドル操作から解放され運転を楽に感じることができた。

■日産は高精度3Dマップデータを使用

日産自動車も9月にハンズオフ機能付きの自動運転「プロパイロット2.0」をスカイラインのマイナーチェンジに合わせて搭載した。渋滞時に限定せず高速走行全体で使用可能だ(一部複雑な道路除く)。ディスプレーを用いて車線変更や追い越しの提案も行う。ドライバーがハンドルについたボタンを操作し承認すれば、手を添えるだけで車線変更や追い越しが可能だ。

BMWと日産ともに、周辺状況の把握という点においては、これまで単一距離を撮影するカメラと、精度は低いが広い範囲を感知できるミリ波レーダーを併用してきた。今回は両社とも距離や写る範囲が違う3台のカメラにミリ波レーダーを組み合わせた方法を採用した。

日産はこれに加えて高精度3Dマップデータを使用。周辺環境だけではなく、これから走る道路も把握することで車線変更や追い越し、非渋滞時の走行などが実現できるという。日産は高価格のハイブリッドモデルのみに搭載。対して、BMWは普及を目指し全グレードで標準装備、価格を抑えるために高精度3Dマップ導入を見送った。

今後、自動運転が進化するうえでカギとなるのが視線監視機能だ。運転中に手と足を放しても運転者の操作が必要な際に、すぐ操縦に戻れるよう監視するために搭載されている。冒頭のように視線を外すと警告を何度か行い、それでも視線が戻らない場合にはハザードランプを点灯させて停車させる。

これは、ハンズオフ機能時には操作なしでも車が進むため、注意が低下するのを防ぐ目的がある。2016年には国土交通省が現状の自動運転機能は、あくまでも運転支援機能だと警告を発している。運転支援の側面から見れば、視線監視など安全面の強化は非常に重要だ。

この視線監視については、BMWがハンズオフ中のみ視線を戻すように警告を表示するのに対し、日産は走行中常時監視し、警告を表示する。

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