ネットを信じ込む妊産婦と医師の情報差の実態 不明確な情報が氾濫する中で必要なこととは

東洋経済オンライン / 2019年10月2日 7時50分

「情報過多」については両者とも危惧していることですが、その先にある両者間の課題意識の不一致は問題です。「情報の信憑性」に関しては、産婦人科医の約9割が課題を感じている一方で、妊産婦は約3割と、50ポイント以上の差があります。

入手した情報の信憑性に関して疑いを持つ妊産婦の少なさには、危機感を覚えざるをえません。もちろん中には質のよい内容もありますが、情報元が明確でない情報を信用することは、時に早産や流産といったリスクにつながる可能性があります。

② 妊産婦のニーズと、産婦人科医が提供したい情報の不一致

妊産婦が「習得するべき知識」と「知りたい知識」の差について妊産婦と産婦人科医に尋ねました。産婦人科医が妊産婦に知ってほしい情報とは、主に「母体」に関することです。「妊娠中の体の変化」や「妊娠中の栄養について」や「高血圧症について」など、からだの変化やこころへの影響、働き方、必要な栄養素などがその内容ですが、妊産婦はこれらへの関心は低い傾向にあります。

一方、妊産婦が知りたい情報は医療費や妊婦健診の補助といった「費用」のこと、子どものアレルギーや予防接種など「出産後のこと」「準備すべきもの」といったことです。

■情報がかみ合っていない

無事に生まれてくることを前提に赤ちゃんが生まれた後の生活を考えなくてはならないので、妊産婦にとっては当然かもしれません。ですが、妊産婦が求める情報と産婦人科医が伝えたい情報はかみ合っておらず、大きなずれが生じていることになります。

③ 相違を正す機会やアプローチの少なさ

これらの情報課題を解消するためには、産婦人科医と妊産婦とのコミュニケーションが必要です。両者が顔を合わせることができるのは妊婦健診時となりますが、一般的な妊婦健診は、約10カ月の妊娠期間のうち全14回程。

1回にかけられる健診時間は短く、産婦人科医達は母体と胎児の状況を確認することで手一杯に。少し余裕が生まれたとしても互いが求める情報内容が食い違っている中で、どちらか一方が伝えたい内容をすべてその場で話すのは困難なのが現状です。

では、妊産婦はどうすればいいのでしょうか。妊産婦の中には、なかなか相談しづらいという方も少なくありません。妊産婦自身が心がけるべきことは、「こんなこと聞いていいのか」「先生忙しそうだし」などと1人で悶々と悩むのではなく、不安や困ったことがある場合は、メモに書き出すなどして整理し、まずは医師や看護師・助産師に相談しましょう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング