「J-REITは上がる」と信じる人がハマる落とし穴 「リスクが低い」と思っているなら大間違いだ

東洋経済オンライン / 2019年10月2日 8時0分

利回りもいいし、価格も好調。不動産投資信託は魅力が大きい。だが「リスクが低い商品」とは言えない(写真:まちゃー/PIXTA)

日経平均株価はようやく2万2000円前後まで戻ってきましたが、日本の不動産投資信託(リート)を代表する東証REIT指数は、つい最近も年初来高値を更新する動きとなっています。「今後も上がる可能性が高い」などと、J-REIT(リート)投資を勧めるコメントを最近でもよく見かけますが、逆にここから調整、ひいては急落の動きとなり、個人投資家は予想外に損失を被ってしまうリスクはないのでしょうか?その可能性について見ていきたいと思います。

■今なぜJリートが買い続けられているのか

そもそも、Jリートがなぜこんなにも買われているのでしょうか?日本株がなお不透明な中、Jリートに分散投資し、少しでもリスクを抑えつつ、高いリターンをもたらす可能性のある「オルタナティブ(代替)資産」の一つとして投資家の関心を集めているという側面があります。

また、3~4%程度の分配金利回りの高さに加え、日本の長期金利への低下圧力や国内のオフィス市況の堅調さを受け、先行きの分配金の引き上げ期待も価格の下支えになっています。それだけではありません。日銀による年間900億円の買い入れ計画により、Jリートが下押した場合でも日銀の買い支えにより、底堅い推移が見込まれます。さらに、円高局面での内需関連資産としてのディフェンシブ性なども投資家から好感されているようです。

来年の東京オリンピック・パラリンピック開催前後の不動産市況のピーク感から、Jリートの上昇が一服する、という懸念はゼロではありません。しかしより長期で見ると、大阪・関西万博が決定し、カジノも含めて、市場でのJリートの成長期待は高いものがあります。さらに、品川から名古屋、大阪へのリニア新幹線の延伸により、関東、関西圏の不動産の一体開発も見込まれ、東京オリンピック・パラリンピック後の成長ストーリーが描けることも長期スタンスの投資家の資金を惹きつけています。このように、今後も好調持続が期待されるJリートですが、本当に死角はないのでしょうか?

筆者は、ファンダメンタル分析と行動ファイナンスの視点から、ここからの東証REIT(Jリート)指数の上値余地は小さく、それほど遠くない時期に、急落する場面に遭遇する可能性もあるのではと考えています。Jリートの保有する全不動産に占めるオフィスの割合は概ね4割となっています。

オフィスでは東京など都市部の不動産が多く、投資家の間ではJリートの大きなトレンドを見る上で、東京都心5区のオフィスの空室率と賃料の動向に注目することが多いと言われます。ちなみに足元の東京都心5区の空室率は1.7%台と歴史的な低水準にあり、平均賃料は5年以上連続で上昇し、ファンダメンタルズ面は良好となっています。

■ファンダメンタルズの悪化リスクで急落の可能性も?

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