続く無断投稿「漫画村」はなぜ繰り返されるのか 海賊版横行で日本の漫画文化が破壊される

東洋経済オンライン / 2019年10月3日 7時10分

あるYouTubeのアカウントには人気の漫画作品が数多くアップロードされていた(現在は削除済み、記者撮影)

人気漫画を無断でインターネット上に公開した「漫画村」の元運営者・星野路実容疑者が9月24日、著作権法違反の疑いで福岡県警などによってようやく逮捕された。フィリピンで拘束され、日本に強制送還されるという逮捕劇となった。

漫画村の後継サイトも大手出版社4社から損害賠償などを求める訴えを起こされており、無法状態だった以前と比べると、事態は改善に向かいつつあるように見える。

しかし、漫画の海賊版問題の舞台となるのは、漫画村のように独自に構築されたサイトだけではない。ユーチューブのような動画投稿サイトも悪用されている。

■漫画の動画が次々とアップロードされていく

ユーチューブの検索で、『鬼滅の刃』や『五等分の花嫁』『からかい上手の高木さん』といった人気漫画の作品名を入力すると、違法アップロードされたアニメ動画のほかに漫画の動画も数多くヒットする。

例えば『進撃の巨人 121話フル』と題された動画。市販されている漫画で45ページある1話分が21分間の動画となっており、市販品と同じ内容が1コマ1コマ紙芝居のように流れていく。

動画再生数は公開されてから1週間あまりで24万回に達する。閲覧者たちが書き込んだコメントをみると、漫画の内容に関する感想ばかりで、これが違法コンテンツであるとの意識は欠けている様子がうかがえる。

この動画は9月20日には削除されていたが、同様の動画は次から次にアップロードされる。まさにイタチごっこの状態だ。

なぜ違法アップロードが繰り返されるのか。自分の好きな漫画を多くの人に知ってほしいというファン心理もあるだろうが、大半は広告収入を得ることが目的とみられる。

ある出版関係者によると、海賊版動画のアップロードにより半年で2000万円以上の収入を上げたアカウントがあったという。これは、このアカウントで投稿された動画の合計再生回数が毎月コンスタントに370万回以上となり、動画視聴中に入る「インストリーム広告」などによって稼げる額だ。

■日本の漫画文化を破壊しかねない

一方、違法アップロードによる被害額は単行本価格などをもとに計算することができる。人気作品のアップロードを繰り返していたケースでは、1アカウント当たり1億5000万円以上の被害額が発生したケースもあった。

漫画村の運営者特定に関わった中島博之弁護士(東京フレックス法律事務所)は、「日本の漫画文化を破壊しかねない海賊版問題は今、正念場を迎えている」と強調する。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング