大学生よりも優秀?高専生が注目される理由 技術者や研究者として必要な行動力がある

東洋経済オンライン / 2019年10月8日 7時45分

高専ロボコン2018関東甲信越地区大会の様子 (写真提供:国立東京工業高等専門学校)

高専をご存じだろうか。工業高専と言われることも多いが、高等専門学校のことだ。いちばんの特徴は中学校卒業後、5年間学ぶ一貫専門教育だ。高校3年、大学4年で計7年間を要する大学工学部レベルの教育を、重複なく5年間で完成する一貫教育を行うことを標榜してきた。そうした高専だが、学歴的には短大卒と同じであるため、高学歴化が進む状況から入学希望者が落ち込む傾向があった。

しかし、最近では、高専生が有能な人材として再認識され始めている。従来、産業界からは技術者としての評価は高かったが、近年、大学工学系の教授らが大学生より高専生のほうが優秀だということを公言している。今話題のAI活用研究などで成果を上げ、評価が高いのだ。

■なぜ高専生の評価が高いのか?

高専生の評価が高く、逆に大学生が期待されていないとしたら、現在の技術系教育はどのような問題を抱えているのか? 筆者も現在は大学で社会科学分野を研究・教育する立場にいるが、東京高専機械工学科の卒業生だ。自身の経験も踏まえて考えたい。

高等専門学校は「実践的・創造的技術者を養成することを目的とした高等教育機関」とされている。高校と同じように、中学校卒業後の進学先として位置づけられているが、異なるのは5年一貫教育となっており、一般科目も学びながら専門的な知識や技術を身に付けることができる。

一般の高校生が大学に入ってから専門を学ぶのに対して、入学直後から専門科目を配置し、大学受験を経ずに、専門分野を学べるシステムだ。創設されたのは高度経済成長期の1962(昭和37)年で、経済成長が著しいなか、技術系人材を早く社会に送り出したいという社会的要請もあった。

現在、高専は57校あり、国立51校、公立3校、私立3校だ。多くが国立であるのが特徴で、国立高専の名でも知られる。高学歴化が進むなかで、1976年には高専生の進学先として長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学が開学し、1991年には5年間の本科の上に2年間の専攻科も誕生した。

現在、本科卒業者には準学士の称号が付与され、専攻科修了者は、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構に申請を行い、審査に合格することにより学士の学位を取得できる。

高専卒業生の進学も進み、現在は本科卒業生の40%ほどが専攻科に進むか大学に編入する。

国立高専51校の入学定員は9360名で、在学生は本科4万8279名、専攻科2934名だ(2019年5月1日現在)。

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